Appleの地図アプリ「Maps」は、リリース時のバグにより波乱のスタートとなったが、今やAppleのモバイルデバイス上では「Google Maps」より頻繁に利用されている。
Associated Press(AP)が米国時間12月7日に掲載した記事によると、Appleは、同社の「iPhone」および「iPad」上ではApple Mapsが現在、「2番手の競争相手」、つまり、Google Mapsより3倍多く利用されていることを明らかにしたという。Apple Mapsにおける地図関連のリクエストが毎週50億件超となっているとAPは伝えている。これは、2012年秋のリリース当初からミスや不正確さを広く批判されたアプリにとって、大きな進歩だ。
Apple Mapsの改良は、同社にとって不幸なエピソードにようやく幕を下ろすことになるのかもしれない。Apple Mapsには当初、誤った経路や場所から、異様に歪んだ画像まで、多くのミスが含まれていた。こうした失態は広く嘲笑され、Google Mapsなどの競合アプリには恩恵となった。
ユーザーの信頼を取り戻すため、AppleはMapsアプリの不具合の修正に取り組み、公共交通機関の乗り換え案内など新機能を追加した。
さらにAppleにとって有利なのは、Apple Mapsが「iOS」の内部でGoogle Mapsに対し一定の強みを享受しているという事実だ。Apple Mapsは、デフォルトかつ唯一のナビゲーションサービスとしてiOSに組み込まれている。ユーザーがGoogle Mapsを使いたい場合、App Storeでアプリをダウンロードしてインストールする必要がある。ただしその後も、Apple Mapsはデフォルトのままだ。「Siri」に道を聞いたり、ナビゲーション機能を備えたサードパーティーのアプリを使ったりすると、Apple Mapsアプリが起動する。
ユーザーを自らのアプリに誘導する能力がなければ、Appleは「現在の地位にはいないだろう」と、IDCのアナリストであるJohn Jackson氏はAPに対して述べた。「このことが寄与しているのであって、Appleが体験を改善しているわけではない」(Jackson氏)
全体では、Googleが引き続き主要な地図アプリとして君臨しているが、少なくともその一因には、Google MapsがiOSでもGoogleのモバイルOS「Android」でも利用できることが挙げられる。一方、Apple MapsはiOSに限定される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス