サムスンとAppleの長きにわたる知的財産権訴訟で、サムスンからAppleに支払うべき賠償金の額について双方がついに合意した。ただし、同訴訟は今後も継続する。
サムスンとAppleが米国時間12月3日に裁判所に提出した文書によると、サムスンは、同社がAppleの複数の重要な知的財産を侵害したと判断した2012年の評決に従い、Appleに5億4800万ドルの賠償金を支払うという。当時、陪審団は損害賠償額を10億ドル超と判断したが、その後、その金額はほぼ半分に減額されている。
Appleとサムスンは2014年、米国外で争われていたすべての訴訟を取り下げたが、米国での争いは継続していた。2012年の裁判に続いて、両社は2014年前半にも再び法廷で対決した。この2回目の評決は、両社にとってより明暗入り交じる内容となり、Appleは訴えの一部を認められたものの、他の訴えは退けられた。陪審団はまた、Appleがサムスンの一部の特許を侵害したと判断した。
3日に両社が提出した書類の中で、サムスンは、Appleから請求書が送付されてから10日後に5億4800万ドルを支払う意思があると述べた。ただし、サムスンは、この訴訟における一部の判断が修正された場合や控訴審において棄却された場合に金額の返還を受ける権利を求めていることも付け加えた。さらにAppleは、同社の「ピンチズーム」特許(米国特許'915号)が米特許商標庁(USPTO)によって2014年12月に無効と判断されたことを受け、異議を申し立てている。このことが今回の賠償金額に影響を及ぼした可能性がある。
同提出書類でAppleは、サムスンが返還請求する権利を主張していることに対して異議を唱えていることを明らかにしている。Appleはまた、サムスンに対して180万ドルの訴訟費用の支払いを求めているが、これについてサムスンは、同社にその意思はないと表明している。
サムスンが本件の和解を目指しているにもかかわらず、「今回の提出書類で、2015年11月2日に和解に向けた協議がなされたものの『合意に至らなかった』ことが指摘されていることから、本件はもう少し継続するだろう」とFoss Patentsの知的財産専門家Florian Mueller氏は予測している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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