アップル共同創設メンバーであるスティーブ・ウォズニアック氏は12月4日、テクノロジとエンターテインメントを融合したイベント「Tokyo Comic Con(東京コミコン)2016」を2016年12月3日~4日に幕張メッセで開催すると発表した。
イベントのキーワードはテクノロジとポップカルチャーだ。SFやファンタジー、アニメや映画などさまざまなポップカルチャーを包括した祭典として、また来場者や消費者からのフィードバックを求める企業にとっても有益な場にすることを目的としている。
東京コミコンでは、映画やテレビに登場する米国のセレブリティ、最新テクノロジ、世界のリーディングカンパニーを招致。パネルディスカッションやトークショー、サイン会、撮影会、展示ブースなどを用意するほか、自身が楽しめるコスプレを推進し、来場者に楽しい体験をしてもらうための企画も考えているという。これまでのコミックやゲームショーなどのイベントと一線を画すイベントになるとしている。
東京コミコンに先駆け、2016年3月にシリコンバレーで初めて「Silicon Valley Comic Con 2016(シリコンバレーコミコン)」を開催する予定だ。
このイベントは、ウォズニアック氏がパーティで出会い、意気投合したスタン・リー氏(マーベル・コミックの産みの親)に「2人でシリコンバレーでコミコンを開催しないか」と呼びかけてスタート。日本には何度も訪れ、ロボットや日本の文化、漫画やアニメなどに注目してきたというウォズニアック氏は、「イベントを真にグローバルなイベントにするためは、日本を巻き込まなければいけない」とし、シリコンバレーと日本の両方で行うことになったと説明した。
「テクノロジはポップカルチャーそのもの。テクノロジのおかげて楽しみ方は進歩した。コンピュータの画面に縛られることなく、いつでもあらゆるときに楽しめる。メキシコのプールサイドで千と千尋の神隠しが見られる。部屋に戻れば、誰かとマインクラフトで遊べる。ポップカルチャーとテクノロジが好きな人は同じだったりする。平日はプログラミングをし、開発者やクリエーターたちがポップカルチャーを楽しんでいる」(ウォズニアック氏)
また、Apple Iをデザインしたときのインスピレーションについて聞かれると、「Appleをはじめた当初、コンピュータを持つことがSFの世界だった。ありえないと思っていた。どうやったらコンピュータを一人一台持てるか?まずは楽しくなければいけないと思った。楽しめることと仕事の生産性を組み合わせることが大事だと思った。『コンピュータが欲しい』、そのモチベーションが大事。モチベーションを持ち続けることで夢が現実になる」と明かした。
SFのテクノロジの現実化について問われると、「未来を予見するのは難しいこと」としつつ、「今後、テクノロジは人間に重点が置かれる。人が使いやすいもの。生活の中にとけこめるものが重要視されると思う。その一つは音声認識。人工知能が進むと自動運転のクルマ。持っているテスラにも自動運転モードがある。手を離しても進む様子は思わずわらってしまう。そのうち標識、迂回にも対処できる完全な自動運転ができるクルマがでてくるのでは。家庭用ロボットとして家にルンバがあると思うが、夜中にクルマを洗ってくれてきれいになる。食事を終えたら皿を下げて洗ってくれる──テクノロジがあることでどんどん便利になる。SFであり得ないと思っていたことが、現実になる世の中に住んでいる」と語った。
また、「音声認識はどんどん発達していくと思うし、機械が友人のように応えてくれるようになる。人間と違うのは、“意識”を持っているかどうか。Googleマップで歩いていたら、もうすぐ誕生日だからそこでケーキを買ったらどうですか?かわいい女の子がいるから、声をかけたらどうですか?──そんな世界がくるかもしれない」と明かした。
今回のイベント発表を記念し、スター・ウォーズに出演するイアン・マクダーミド氏(パルパティーン最高議長役)とレイ・パーク氏(ダース・モール役)、ゲストとして三船美佳さんとコスプレイヤーとして知られる御伽ねこむさんが登場した。
12月5日~6日に品川インターシティ(東京)で、東京コミコン開催の発表を記念したスペシャルファンイベントを開催する。イアン・マクダーミド氏とレイ・パーク氏が参加予定だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」