Steve Jobs氏は天才だったが、必ずしもすぐれた人格の持ち主だったわけではない。人々にとって、Jobs氏はその両面を備えていた人物として記憶されていくだろう。Jobs氏とともにAppleの共同創設者であるSteve Wozniak氏がこう語った。
技術面のブレインとしてAppleの創設に携わったWozniak氏は、Universal Picturesが米国時間10月15日に公開した短い動画の中で、「彼(Jobs氏)は、エジソンのように史上まれにみる偉大なテクノロジ分野のリーダーとして歴史に刻まれるだろう」と語った。Universal Picturesは新作映画「Steve Jobs」を制作した映画会社だ。「同時に彼の性格の悪い面も記憶に残っていくかもしれない。そのことは、彼の偉業とともに永遠に語り継がれていくだろう。しかし、彼は未来の世界をリードした人物であり、それを目にしていたら当時の誰もが彼に従っただろう」(Wozniak氏)
映画「Steve Jobs」は、「Mac」や「iPhone」「iPad」などを世に送り出し、コンピュータを一般の人々に広める上で重要な役割を果たした男の人物像が描かれている。ニューヨークとロサンゼルスで9日に封切られ、今後数週間のうちに世界各地の映画館で上映される予定だ。テレビドラマ「ザ・ホワイトハウス」や長編映画「ソーシャル・ネットワーク」のAaron Sorkin氏が脚本を手がけ、「スラムドッグ$ミリオネア」のDanny Boyle氏がメガホンをとった。
Sorkin氏はこれまでに何度も、Michael Fassbender演じるJobs氏の「ゆりかごから墓場まで」の生涯を描いた伝記映画を作りたいとは思わなかったと語っている。その代わりに、この映画では、Jobs氏の人生で鍵を握る初代コンピュータ「Macintosh」(1984年)、ワークステーション「NeXT」(1988年)、iMac(1998年)の3製品それぞれの発表のシーンが描かれている。この映画の「感情中枢」としてこれらの出来事を1つに結び付けているのが、Jobs氏の長女Lisa Brennan-Jobsさんとの関係だ。Jobs氏はかつて、Lisaさんを実子として認知していなかった。
もう1つ、この物語の重要なポイントとなっているのは、Jobs氏とWozniak氏をはじめとするAppleの同僚らとの関係だ。2人は会社を設立する以前から親しい友人同士だったが、いつでも意見が一致するわけではなかった。一例として、Jobs氏は初期の従業員の一部にストックオプションを与えるのを拒んだという逸話は有名だ。結局、Wozniak氏が自身の持ち株から約1000万ドル相当をこれらの従業員に与えることで落ち着いた。Wozniak氏はその理由について、「(そうするのが)正しいことだったから」だと、2013年に公開されたAshton Kutcher主演のJobs氏映画に関する「Google+」の投稿で述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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