医師限定のソーシャルメディア「MedPeer」を運営するメドピアは11月4~5日の2日間、ヘルステック(医療とヘルスケアのためのIT)のグローバルカンファレンス「Health 2.0 Asia - Japan」を都内で開催した。
2日目のパネルディスカッション「スマートプラチナ社会」では、超高齢化を迎えた日本の問題をITで解決するための施策について、議論が繰り広げられた。
司会は日本経済新聞社 編集委員の関口和一氏、パネリストとして、医療法人鉄蕉会 亀田メディカルセンター 最高情報責任者の中後淳氏、エーザイ株式会社 グローバルビジネスディベロップメントユニット ECLプレジデント上席執行役員の鈴木蘭美氏、シスコシステムズ コーポレート事業統括文教・医療営業本部 営業本部長の田村信吾氏、MSD株式会社 執行役員医薬政策部門統括 兼 社長室長の諸岡健雄氏の4人が登壇した。
最初にプレゼンテーションしたMSDの諸岡氏は、スマートプラチナ社会の背景と定義を製薬会社の立場から説明した。「総務省は、スマートプラチナを〝シルバーを越えて、すべての世代がイノベーションの恩恵を受け、いきいきと活動できる超高齢社会“と位置付け、2020年までの実現を目指している。これに対して、われわれ製薬会社は、“Beyond The Pill”という薬を越えた解決方法に焦点を当てた関わり方を目指す」(諸岡氏)。
具体的な方法については、「製薬会社は、患者や医師の“選択”、“行動”といったデータを有している。これらのデータを活用し、幅広いステークホルダーと協同しながらビジョン実現に向けて突き進みたい」と語った。
亀田メディカルセンターの中後氏は、千葉県鴨川市で医療と教育に携わっている。
「鴨川市は人口3万人程度の小さな町だが、すでに医療のIT化を進めている。具体的には、1999年から電子カルテ『Kai』を独自開発し、改良改善を重ねて先頃まで使ってきた。さらに患者向け電子カルテ『PLANET』を2002年から稼働させ、10年以上も電子カルテをフルオープン化している」と先進的な取り組みを説明した。電子カルテデータのオープン化にあたっても、同市では目立ったトラブルは発生しなかったという。
さらに、「千葉県で統一した電子カルテや健康情報を共有する『AoLaniプロジェクト』を進めている」(中後氏)そうだ。この他にも、千葉県では、現在米国で普及中の高齢者のための生活共同体「CCRC(Continuing Care Retirement Community)」の日本版の展開にも取り組んでいる。
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