PC、スマホ不要の「ScanSnap Cloud」--スキャナ経由で11のクラウドサービスと連携

 PFUは11月25日、PCやスマートフォンなしでドキュメントスキャナ ScanSnap iXシリーズとクラウドサービスを直接連携できる新サービス「ScanSnap Cloud」を発表した。同日より無償で提供する。

 対応する端末はScanSnap iX500とiX100。Wi-Fiに対応し、かつPFUのデュアルコアCPU搭載「GI」プロセッサを搭載していることが理由という。

ScanSnap iX500
ScanSnap iX500
小さくモバイル用途に使えるiX100
小さくモバイル用途に使えるiX100

 ScanSnap Cloudは、ScanSnapをクラウドサービスのインタフェースとし、スキャンした原稿を「レシート」「名刺」「文書」「写真」の4つの種別に自動で判別する。たとえば、レシートはDr.Wallet、名刺はEight、ドキュメントはEvernote──といったように、あらかじめ設定したクラウドサービスにPCやスマートデバイスなしで自動で振り分け、保存できるのが特徴だ。

 スキャンしたデータは、PFUのゲートウェイサーバに2週間保存される。データ容量は無制限だ。もし、名刺が設定したものとは異なるEvernoteに振り分けられていても、2週間以内であれば専用アプリケーションを経由して修正できる。ScanSnap CloudはMicrosoft Azureを基盤として構成されており、強固なデータ保護ができるとしている。なお、Wi-Fiを使用する場合、Wi-Fiルータやスマートフォンのテザリングは使えるが、セキュリティを考慮し公衆無線LANはサポートしない方針だ。

 設定やスキャン結果の確認・修正ができるツールは、Windows、Mac OS、iOS、Android向けに無償で提供する。

 ファイル名は、原稿からわかりやすいタイトル文字を抜き出し、日付と組み合わせて自動でファイル名を生成する。さらにこれまでPC上で行っていたイメージデータの最適化処理(自動サイズ検出、向き補正、白紙ページ削除など)をScanSnap Cloud上で実現した。

 これまで、デバイスを起動し、用紙を仕分け、スキャンした後に連携クラウドを選択、ファイルのリネーム──と5つのステップを必要としてきたが、一度設定してしまえばワンプッシュでその過程が完了できるようになる。

プリントの書式を自動認識する。ファイル名は「平成26年4月5日」を20140405となおし、さらに中央にセンタリングされた「PTA総会開催のお知らせ」の文字を認識し、わかりやすいファイル名を自動で生成
プリントの書式を自動認識する。ファイル名は「平成26年4月5日」を20140405となおし、さらに中央にセンタリングされた「PTA総会開催のお知らせ」の文字を認識し、わかりやすいファイル名を自動で生成

 クラウドサービスは、会計・個人資産管理サービスとして「Dr.Wallet」「クラウド会計ソフト freee」「MFクラウド会計・確定申告」「STREAMED」「弥生会計(2016年以降サポート)」。名刺管理は「Eight」。ドキュメント管理は「Dropbox」「Evernote」「Google Drive」「OneDrive」。写真管理は「Google Photos」の計11のサービスに対応する。このほか、A-SaaS、Moneytree、MerryBizらも対応を表明。今後、さらなる提携サービスの拡充を目指す。

 PFU 代表取締役社長の長谷川清氏は、2001年に販売した初代モデルはUSB接続だったこと、ずっとケーブルに悩まされつつも10年かけ、2012年からWi-Fi対応に進化したことなどScanSnapの進化の歴史を振り返った。そして迎えた新たなステージが今回のScanSnap Cloudだ。

 金融とテクノロジを融合するFinTech(フィンテック)の盛り上がりを背景に、クラウドとの連携によって販売台数を増やしたい考えだ。当面は無料で提供し、今後は、OCR対応などプレミアムな部分で有償化することは検討しているという。今後の状況を見て考えたいとしている。

対応するクラウドサービス
対応するクラウドサービス
パートナー企業の代表を囲んだフォトセッション
パートナー企業の代表を囲んだフォトセッション

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