PFUは11月12日、個人向け文書スキャナ「ScanSnap」シリーズの新製品「ScanSnap iX500」を発表した。11月30日から発売する。同社オンラインショップ「PFUダイレクト」価格は4万9800円。
PCとのUSB接続に加え、PCを経由せずに製品単独でスマートフォンやタブレットにWi-Fiで直接転送できる新機能を備えた。新開発の画像処理エンジン「GI」プロセッサにより取り込み速度をアップし、25枚50面/分を可能にしたほか、カバーを開けてからスキャンが完了するまでの速度も従来モデルS1500と比較し約半分(OCR化含む)に短縮できたという。
ScanSnapは小型のドキュメントスキャナとして2001年に登場。現在では100カ国以上で販売しており、累計200万台に上るという。
代表取締役社長の長谷川清氏は、発売前の1990年代後半を振り返り、「Windows PCが1人1台まで普及し、IT化が進み始めた時代。そのころのイメージスキャナは、書類を1枚1枚スキャンするコピー機のような扱いにくいものだった」と語る。
そのころすでに業務用スキャナを10年以上手がけていたPFUは、「近い将来、紙を使う仕事もディスプレイで済むのではないか。そのとき、スキャナが当たり前のように使われると思った」と開発した経緯を明かした。
目指したのは“カンタン・スピーディ・コンパクト”だ。「ボタン一発でPDF、という新しい基本コンセプトを作り上げた」という。
さらに、時代の変化とともにディスクの大容量化やブロードバンドによるネットの高速化などの背景を経て、2007年にスキャンした後にメールへアタッチできる「Scan to Mail」、クラウドにアップロードできる「Scan to Folder」などを追加した。
そして今回、ポイントとなるのはスマートフォンやタブレットとの連携だ。ScanSnap iX500は、「PFUの熟成した技術と熱い思いを集結した」(PFU 取締役 執行役員専務 宮本研一氏)という自信作だ。
発売当初、スマートフォンやタブレットの対応アプリはPFUが提供するアプリのみに対応するが、今後はSDKを用意し、PFU以外のソフトウェアベンダーが対応できるようにする準備があるという。「従来のファンのみならず、スマートデバイス、クラウドサービスを使いこなしているさまざまな世代に喜んでもらえる」とした。
ここ数年は、売上げも飛躍的に伸びているという。ドキュメントスキャナ市場において、市場予測では年平均伸長率が10%とされているが、PFUは20%を目指すと意気込む。現時点では年間販売数50万だが、2016年以降には年間100万台、累計販売台数500万台を目標にするとした。
なお、今回はフラッグシップモデルの発売だが、年明け以降に新製品を発表することも明らかにした。PCレスで完結する製品も技術的にはすでに可能としており、さらにS1100などの後継モデルのような小型軽量化モデルも開発が進んでいるという。
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