カリフォルニア州クパチーノを拠点とする技術大手Appleの電子決済サービス「Apple Pay」が2016年初頭に中国で提供開始される可能性がある。中国は世界最大のスマートフォン市場である。
Apple Payが2016年2月に中国で提供される予定だとThe Wall Street Journal(WSJ)が報じている。同紙の情報筋らによると、Appleは中国の4大国営銀行と合意に達したという。この合意に基づき、Apple Payユーザーは、自分の地元の銀行口座を同モバイル決済サービスに紐付けることが可能になる。
コメントを求めたがApple関係者からの回答は得られなかった。
2014年の米国に続いて他の複数の国でも提供開始されたApple Payは、「iPhone 6」や「iPhone 6s」、または「Apple Watch」などを所有するユーザーが近距離無線通信(NFC)技術を利用して、外出先で購入品の支払いができるサービスだ。Apple Payは、米国の4大クレジットカードのすべてに対応しており、米国ではますます多くの銀行や小売業者が同サービスを導入している。
同社は、中国の銀行であるUnionPay(中国銀聯)との合意を得ようとしているとMarketWatchが報じていた。UnionPayは、銀行間決済を扱う中国で唯一の銀行である。同行がクレジットカードとデビットカードの処理を独占していることで、MasterCardやVisaは実質的に締め出された状態にある。
Appleは2014年、UnionPayのネットワークをApple Payに使用することについて同行との協議に入り、2015年3月までに合意に達したいと考えていた。しかし、AppleとUnionPayとの関係は問題を抱えていると、両社間の協議に詳しい情報筋らはMarketWatchに伝えていた。
2014年以降、Appleは少なくとも8つの大手中国銀行とも、Apple Pay導入について話し合いを持ってきた。しかし、それらの話し合いに詳しい情報筋らがMarketWatchに伝えたところによると、これらの話し合いもうまくいっていないということだった。ある銀行は、一切の提携にまったく関心を示さなかったという。
2014年10月に米国、2015年7月に英国で提供開始されたApple Payは11月、カナダとオーストラリアにまで提供地域を拡大している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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