(編集部注:米CNETによる「iPad Pro」のレビューを3回に分けて翻訳して公開します。第2回は11月24日に、最終回は11月27日に公開されています)
「iPad」はこの世に生を受けたときから、コンピューティングの未来をその手につかむことを夢見てきた。初代iPadの登場から5年半を経た今、これまでで最大、最速、最強のApple製タブレット「iPad Pro」が、その壮大な目標を実現する端末として力強く名乗りを上げた。
振り返ってみると、iPadは着実な歩みを続けている。筆者が5年前に購入した最初のiPadは、電子書籍リーダーとゲーム機、さらにモジュール式ノートブックの機能をすべて兼ね備える端末になった。筆者が必要としていた多くの作業をこなしてくれたものだ。小さなショルダーバッグに入れて、毎日職場に持って行った。父が郊外の病院に入院していたときも持ち歩いたし、ロングアイランドにある母の家を訪れたときも、iPadのおかげでインターネットに接続することができた。ノートブックは家に置いてきても、iPadとはずっと一緒だった。
iPadを「Mac」に代わるデバイスとして使いたいと思っていたが、iPadで何もかもできるというわけではない。常用のノートブックが必要になることもあった。それは今でも変わっていない。特に仕事ではノートブックが必要だ。一部のアプリやウェブツールは、iPadではうまく機能せず、簡単には編集できなかった。それから何度もiPadで試してみたが、結果はあまり変わらなかった。
その後、タブレットとノートブックのギャップを埋めるPCが登場した。しかし、Microsoftの「Surface Pro」などと違って、AppleのiPadとMacは、理念の面では徐々に近づいているにもかかわらず、別製品として提供され続けている。未来を待つ必要はない。今がその未来だからだ。
AppleのiPad Proは、iPadの本質と機能を根本から作り変えるという最も大胆で(文字通り)最も大きな試みだ。スクリーンサイズは13インチ近くある。超高精度のスタイラス「Apple Pencil」など、新しい入力機器やアクセサリも用意されているほか、キーボード接続用の新しい側面コネクタが搭載された。画面分割マルチタスクに対応するOSも備える。
本レビュー記事はiPad Proで執筆した。このところ、iPad Proの大型スクリーンが生活の中心になっている。それは筆者に限ったことではない。米CNETでは、筆者以外にも3人がiPad Proを使って本レビュー記事の作成に取り組み、他の日常業務の多くを処理した。その1人が、CBS InteractiveのクリエイティブディレクターMarc Mendellだ。CNET.comやCNET Magazine、米CNETの全姉妹サイトのルックアンドフィールの指導を担当している。2人目のAriel Nunezは、米CNETの多くの優秀なビデオグラファーおよび動画編集者の1人であり、下の動画をiPad Proだけを使って編集した。そして3人目は米CNETの編集長Lindsey Turrentineだ。1週間以上にわたって常用のコンピュータの代わりにiPad Proを使用した。
超大型iPadというのは理屈に合わないと思う人もいるだろう。だが、時間がたつにつれて、われわれは皆、親しみを覚えるようになった。作りは美しく、広くなったスペースが驚くほど役に立つ場面もある。とはいえ、やはりわれわれ4人の誰にとっても、常用のコンピュータに完全に取って代わるデバイスにはならなかった。それでも価格はコンピュータ並みだ。最も安い32Gバイトモデルは799ドル、128Gバイトモデルは949ドルで、4G LTEデータ接続機能を備える128Gバイトモデルに至っては1079ドルする。しかも、これはキーボードなどのアクセサリが一切含まれない価格だ。
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