「Android」用に開発されたアプリをMicrosoftの「Windows 10」に移植するためのツールを導入するというMicrosoftの計画の雲行きが怪しくなっている。
「Project Astoria」と呼ばれるこのツールは、Googleのモバイルソフトウェアを搭載する端末向けのアプリをWindows 10に移行するよう促すものだ。「Windows」は今でもほとんどのPCの基盤ソフトウェアだが、Microsoftは、AppleとGoogleのソフトウェアが独占するスマートフォンやタブレットにWindowsの勢力を拡大しようと苦心している。
現在、このツールの開発はMicrosoftの計画通りには進んでいないようだ。Microsoftは、Astoriaが中止になったのか、それともまだリリースされる予定があるのかどうかを明らかにしようとしない。Microsoftの広報担当者は米国時間11月16日、「Windowsプラットフォームにアプリを移行させるための多数のオプションを開発者に提供するつもりだ」と述べた。「Astoriaブリッジはまだ準備が整っていないが、開発者に素晴らしい選択肢を提供する他のツールが存在する」(Microsoft広報担当者)
Microsoftは2つの関連ツールを提供している。「Islandwood」は、開発者がAppleの「iOS」ソフトウェア向けのアプリをWindows 10に移行するためのツールで、「Westminster」は、ウェブ用に設計されたアプリに同じことを行うツールである。またMicrosoftは、旧式のWindowsアプリをWindows 10に移行するための同様のツールを「まもなく」提供する計画もあると述べた。
Windows Centralによると、Project Astoriaのフォーラムは9月以降更新されておらず、開発者らの質問に対して、Microsoftの回答がない状態が続いているという。またMicrosoftは、携帯端末向けWindows 10の最近のテスト版からAstoriaを削除しているようだ。
Astoriaの最大の欠点は、実際にはエミュレータであるという点だ。つまり、あるソフトウェア基盤用に記述されたプログラムを別の基盤上で動作させるためのソフトウェアレイヤだ。しかしエミュレーションは、アプリのスタイルが新しい環境に適していなかったり、機能を最大限に活用することができない場合がある。
Microsoftにとっては、最初からWindows 10用にアプリが開発されることが最も望ましい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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