急速に注目が集まりつつあるプログラミング教育。海外では教育課程に組み込まれるなどの動きがあり、国内でもIT企業や私塾が運営するワークショップ形 式のプログラミング教室が人気を博しているが、その流れを取り入れている“公 立”の小学校がある。東京都の多摩市立愛和小学校だ。
10月31日に多摩市立愛和小学校の全学年が参加した公開授業とワークショップ。前編では1~4年生までのプログラミング授業の模様をレポートしたが、中編となる今回は残りの5~6年の授業と、午後に行われたワークショップの模様をお伝えする。
5年生のクラスでは「MinecraftEdu」をインストールしたWindowsパソコンでプログラミングが行われていた。Minecraftには、仮想的な立体空間の中で「ブロック」と呼ばれる立方体を積み上げて構造物を作るモードや、冒険要素が入ったモードなど複数のモードがある。
今回の公開授業ではMinecraftの「Edu」という教育用途向けにカスタマイズされているバージョンを使用。外部講師として招かれたプログラミングスクール「TENTO」代表 竹林 暁氏の指導のもと、「タートル」という特殊なブロックに対してプログラミングをして「タートルにダンスをさせる」というお題に取り組んだ。
授業は「マルチプレイ」というモードでクラスメート全員が同じ仮想空間に入り、空間内で3人1組での「チーム戦」を行うという要素が含まれるのが他学年との大きな違いだ。チームメンバーはそれぞれ自分のタートルにプログラミングを行い、3人のタートルが同じ動きをする(つまり3個のタートルが同じダンスをする)ようにしなければならない。
チーム内でどんな動きを作るか話し合ったり、理解の早い児童が他の児童に教えたり、タートルが同じタイミングで動くよう工夫したりといった光景が見られた。この課題には同じ動きをずっと繰り返す、いわゆる「ループ」の概念を理解して取り入れるというハードルもあったが、全員がこれを乗り越えていた。
Minecraftはゲームとしてとらえられることが多く、実際に家庭用/携帯用ゲーム機で同ソフトが発売されているので、熱中している子供も多い。しかし、MinecraftEduのように教育用途を意識したバージョンや、Microsoftの教育チームが展開するプロジェクト「Minecraft in Education」の登場、そして今年に入ってから首都圏のプログラミングスクールがMinecraftを使ったプログラミング講座を実施するなど、教育現場での注目度が向上している環境の1つでもある。
なお、今回の授業ではクラス内に専用のサーバを用意しており、一般的なMinecraftとは異なり学級内に閉じた環境でマルチプレイが行えるよう配慮されていた。
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