動画サイトYouTubeが新しい音楽アプリを米国でリリースした。
米国時間11月12日にリリースされた専用アプリ「YouTube Music」は、サブスクリプションサービス「YouTube Music Key」に続くものである。同サービスは、2014年に招待制で少数のテスターを対象に提供開始されたが、結局その小規模な範囲以外のユーザーに拡大されることはなかった。YouTubeは2015年10月、月額10ドルのサブスクリプションサービス「Red」も提供開始しており、同サービスでは、広告を排除し、その他のモバイル特典を会員に対して利用可能としている。
YouTube Musicは、Redと組み合わされることで、立ち上げに失敗したMusic Keyの約束を新たにする。YouTubeは、ユーザー数においてインターネット最大のビデオサイトであり、ネット上にある楽曲の合法的な供給源として支配的だ。このリーチによってYouTubeは、サブスクリプション音楽サービスをメインストリームのユーザーに普及させることにおいて、他に類を見ない立場を占めている。すべての人々が音楽サブスクリプションを理解しているわけではないが、ほとんどの人がYouTubeを知っており、月額10ドルを支払うことで広告を非表示にするというのはシンプルなコンセプトだ。
YouTubeの課題は、このコンセプトを多くのユーザーにとって魅力あるものにすることだ。
YouTubeの音楽製品を統括するT. Jay Fowler氏は、同社が音楽サービスを再始動するにあたって、「YouTubeにしかできない」何かを実現したかったと述べた。Fowler氏はかつて、音楽サービス「Mog」および「Beats Music」の立ち上げに参画した経験がある。「私はこれら2つのサービスの構築に携わった。異なる部分よりも重なる部分が多い3つめのサービスを構築するというのは、正しいやり方とはいえない」と同氏は述べた。
YouTube Musicは、YouTube Redに加入することでさらに便利になる。月額料金を支払うことで広告なしの視聴が可能になる。会員は、飛行機内や地下鉄内などでネットワーク接続がない場合でも音楽を聴くことができ、テキストメッセージに返信したり電子メールを確認したりするために別のアプリに移動しても音楽を再生し続けることができる。
ただし、YouTube Musicは無料でも利用できる。同サイトの子供向けアプリやゲームアプリと同様に、YouTube Musicには、音楽を聴きたい気分になったときに求めるものを簡単に見つけて視聴することのできる特別コーナーが設けられている。Fowler氏によると、YouTubeはこのアプリの検索機能において「ややGoogleらしくはない方法を採用」しており、まずは厳選されたものを表示し、続いて検索に基づくラジオ局を表示し、その後に他の動画や楽曲を表示するという、単純明快な結果は避けたという。適切なユーザー作成コンテンツ(マッシュアップ、カバー、ダンスオマージュ)を提示することに多大な労力を費やしているという点において、YouTubeは競合サービスとは一線を画していると同氏は述べた。
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