Appleはこれまで常に、同社の音楽サービスについて、より深い体験をユーザーに提供することを心掛けてきたが、異なるユーザーを対象にした幅広い提供にも踏み切った。
カリフォルニア州クパチーノを拠点とするエレクトロニクス大手のAppleは米国時間11月10日、同社ストリーミングサービス「Apple Music」のテスト版をGoogleの「Android」OSを対象にリリースした。Androidは、世界中にある端末の大多数に搭載されているモバイルソフトウェアである。
Appleのインターネットソフトウェアおよびサービス担当シニアバイスプレジデントを務めるEddy Cue氏は「Apple Musicを開始した時から、われわれの目標はすべての人々に同サービスを使用してもらうことだった」とMashableとのインタビューで述べている。
Apple Musicは、複数の点において同社にとって初めての取り組みとなっている。まず、30億ドルで買収したBeats Electronicsを基盤としており、その買収金額はApple史上最高額だった。また、長年にわたって回避してきたサブスクリプションモデルがApple顧客に対して初めて導入された。この試みは、ユーザーの生活におけるより多くの側面に事業を拡大したいというAppleの考えを明確に表している。
同社最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏は10月、Apple Musicが6月の提供開始から650万人の有料登録ユーザーを獲得しており、さらに850万人が同音楽サービスの90日間無料トライアルを利用していると述べた。競合する音楽サービス「Spotify」の有料会員数は2500万人で、無料ユーザーを合わせるとアクティブユーザー数は7500万人にものぼる。
月額10ドルで数百万曲もの提供楽曲から好きなだけ音楽をストリーミングできるApple MusicをAndroid向けに提供すれば、同サービスに潜在顧客の新天地がもたらされる。ただしAppleは今、なじみのない消費者グループを理解するという課題に直面している。
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