米Yahooの検索フィールドに入力すべき言葉を紹介しよう。それは、どうすればYahooを再び刺激的な企業にすることができるのか、というものだ。
この3年間、Yahooの再生に取り組んできた最高経営責任者(CEO)のMarissa Mayer氏は、その質問の答えを模索している。GoogleからYahooに移籍して以来、Mayer氏は同社のモバイル戦略の徹底的な見直しや新しい企業の買収、NFLとの提携などを行ってきた。
残念ながら、投資家が関心を持っているのは1つのことだけだ。つまり、Yahooが2005年に取得したAlibaba株のことである。Alibabaが前途有望な中国市場における新しいEコマースサービスだったとき、YahooはAlibabaに投資した。今では、Alibaba自体がインターネット界の巨人である。
Mayer氏は米国時間10月20日の決算発表の中で、保有するAlibabaの株式15%をできるだけ早くスピンオフする計画に改めて言及した。2015年5月、米内国歳入庁(IRS)があらゆる取引に対する税率引き上げにつながる規則変更を提案したことで、スピンオフの見通しに暗雲が立ちこめた。Yahooは、たとえ重税を課されても、Alibaba株のスピンオフを実施する計画だと述べている。
Mayer氏はプレスリリースの中で、「中核的な事業の成長に焦点を絞ることに加えて、当社の最優先事項は、予定されているAabaco Holdingsのスピンオフだ」と述べた(AabacoはAlibaba株を保有することになる持ち株会社)。
Alibaba関連のニュースのせいで、Yahooが抱える根本的な問題が見えにくくなった。同社はもう昔のように消費者をわくわくさせていない。それが原因で、YahooはGoogleやFacebookなどのライバルにユーザーを奪われ、さらに重要なこととしてユーザーがもたらす広告収入を奪われてしまった。Yahooは20日、Yahooのモバイルとデスクトップの検索エンジンへの検索広告提供について、Googleと契約を締結したことを発表した。Yahooは既にMicrosoftとも契約を結んでおり、同社の検索技術を利用している。
Yahooが徐々に凋落していることは、同社の決算を見ても明白だ。2015会計年度第3四半期(9月30日締め)の売上高は12億3000万ドルで、アナリスト予想の12億6000万ドルを下回った。株式報酬の調整などの費用を除いた利益は1株あたり15セントで、こちらもアナリスト予想の17セントに届かなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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