在日フランス大使館とフランス貿易投資庁は10月5日、フランス企業の中でも特に日本市場での成長が期待されるスタートアップ企業を日本に紹介する「フレンチテック東京 第1回ピッチセッション」を開催し、13社が自社製品やサービスをプレゼンテーションした。
このイベントは、フランスのマニュエル・ヴァルス首相が来日したことに併せて展開する「日仏イノベーション・イヤー」開幕イベントの一環として開催されたもの。フランス政府は2013年から、経済的価値と雇用創出への貢献を見据えて、テクノロジ分野のスタートアップ企業支援を推進する「La French Tech(フレンチテック)」という政策を打ち出している。
La French Techは、世界各国の主要都市において、フランス企業の進出と各国の地元スタートアップ企業のフランス進出を支援する取り組み。フレンチテック東京はその日本版として、このピッチイベントを皮切りに積極的に活動していくという。
活動を推進するフランス貿易投資庁は別名「ビジネスフランス」と呼ばれ、2015年に対フランス投資庁(AFII)とフランス企業振興機構(ユビフランス)が統合して発足した政府機関。フランス企業の国際展開と貿易振興、外国企業のフランス進出支援をしており、世界70カ国で官民のネットワークを築き活動している。
ビジネスフランス代表のミュリエル・ペニコー氏は、イベントの冒頭でフランスのスタートアップ企業の状況について説明。「フランスのスタートアップはITだけでなくメディカル、バイオなどさまざまな分野で7000社を超え、多くの企業が成功しエコシステムを形成している。スタートアップに投資したいというインキュベータは多く存在し、スタートアップの支援を目的とした施設も充実している」と紹介し、日本のスタートアップのフランス進出を積極的に支援したい考えを示した。
またイベントには、フランス政府から経済・産業・デジタル大臣のエマニュエル・マクロン氏と、国民教育・高等教育・研究大臣付 高等教育・研究担当大臣のティエリー・マンドン氏も登場。エマニュエル・マクロン氏は「ニューヨーク、テルアビブ(イスラエル)に続き、東京にフレンチテックの拠点ができることを嬉しく思っている。さまざまな企業や研究機関、フランス本国とも連携しながら、東京においてスタートアップ企業のエコシステムを創出していく。フランスは日本と同じように“革新”、“イノベーション”が好きな国だ。スタートアップ企業は多くの市民に新しい世界を見せてくれる存在だ。私たちのチャレンジは、イノベーションがどんどん生まれテクノロジの変化も速い中で、これから自分たちの地位を確立するということ。新しいことにトライをして失敗して、すごい成功もして、こうした日仏のスタートアップ企業の挑戦を通じて両国の経済が活性化していくことを期待したい」と挨拶。
また、ティエリー・マンドン氏も「研究開発から生み出されたイノベーションはすぐに新しいイノベーションにとって変わられていく命が短い存在だという現実があるが、(イノベーションを生み出すために)企業や研究機関は常に組織を活性化していく必要があり、新たなイノベーションを生み出すための力強いバックアップが必要になる。具体的なサポートをしていくことが、ダイヤの原石であるスタートアップ企業が成長を実現する。私たちの研究機関は世界でも有数の存在であり、革新的な技術が今後フランスからどんどん発信される。多くの日本の企業や研究機関にフレンチテック東京に注目してもらえれば」と期待を寄せた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス