日本ではまだスタートアップ企業の参入が少ないエネルギー分野では、2社が登壇してそれぞれの開発している製品を紹介した。
2010年にフランスのマルセイユで創業したIDEOL(イデオル)は、洋上風力発電において風力発電機(タービン)を設置する土台となる洋上基盤を開発した。この洋上基盤は、標準的な洋上風力タービンと互換性を持つ浮体式プラットフォームで、水深の深い海域でも低コストで洋上風力を展開できるのが特徴。同社の特許技術「ダンピングプール」を採用したフランス初の浮体式洋上風力タービンが2016年に商業化する予定だという。また、日本では日立造船と提携して日本の海上状態の特徴に適合させた洋上基盤を2017年末までを目標に共同開発するとのこと。
登壇した同社代表のPaul de la Gueriviere氏は、「フランスでも、日本でも、エネルギーの将来について洋上風力の活用には期待が高まっている。(海岸近くの浅い場所では)風力タービンは景観に影響を与え風の力も弱く、一方で沖合の深い場所は発電に適した良い風が吹いているが、日本は沖合で急に海が深くなるという地理的な特徴がある一方で、風力発電用の船舶がなく漁業海域が広く(従来の洋上発電では)漁業関係者に影響を与えるといった課題もある。こうした状況において、浮体式の洋上発電プラットフォームは有効なのではないか」とコメントした。
一方、プロヴァンスに拠点を置くSunpartner Technologies(サンパートナー・テクノロジーズ)は、スマートデバイスの画面やビルの窓ガラス、広告看板などに組み込むことができる透明なワイヤレスソーラーチャージ技術「WYSIPS」を紹介。この技術により、スマートフォンやタブレット端末のディスプレイが太陽光によって自己発電し、バッテリーの持続性を高めることができるという。また、紫外線や公害のモニタリング、光によってデータ通信を行う可視光通信などさまざまな付加価値を提供することができるとのこと。
この技術を紹介した同社代表のLudovic Deblois氏は、「世の中はさまざまなアプリケーションに囲まれ、そしてそのアプリケーションはさまざまなサーフェス(画面)を通じて提供されている。もしも、そのデザインや機能に影響を一切与えることなく、そのサーフェスを活用することができたら。私たちの技術は、スマートフォンや時計、車の窓ガラスといった幅広いシーンに応用することができる。私たちはスマートサーフェスのリーダー企業を目指している。」と説明した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」