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自動運転だけじゃない!IoTの実用化を「コネクテッド・カー」が切り開く

 あらゆる場面にITが浸透し、オフィスや家庭だけでなく、膨大なデバイスがネットワークされる世界。それが、今注目を集める「IoT」(Internet of Things、モノのインターネット)だ。

 超小型のコンピュータを組み込んだ電子工作や、ハードウェア・スタートアップなどが、IoTの関連ニュースとして頻繁に取り上げられるようになったが、このような応用例は、はじめの一歩に過ぎない。そこから、本格的にIoTが普及したとき、どのような社会が生まれるだろうか。また、そのためには、どのような取り組みが必要になるだろうか。

 そこで今回は、IoTによりネットワーク化された自動車「コネクテッド・カー」の先行事例の全体像を紹介する。

 コネクテッド・カーは、乗り物自体の進化にとどまらず、それを支える設備やオペレーション・アフターサービスの改革、さらには開発過程への応用まで、幅広い領域を変革する。さらに、自動車とその周辺環境には、様々なテクノロジーが利用されており、建設機械からビルディングといった幅広い領域で参考になるだろう。

IoTが実現する変革と適用領域

 IoTは、どのような変革を実現するのだろうか。IoTのリーディング企業として存在感を高めているIBMは、IoTによる変革を次のように3つに整理している。

  1. イノベーションの加速
  2. オペレーションの強化
  3. モノとヒトのつながりの拡大

 IoTによるイノベーションの加速とは、新たな取り組みによる価値の創造をスピードアップさせること。たとえば、「つながる機器から顧客理解」「試作改革」「ソフトウェアをベースとした製品改良」などが期待できる。IoTによるオペレーションの強化とは、サービス運用の効率と品質を向上させること。たとえば、製造業であれば「スマート・ファクトリー」「製造設備管理」「資産管理の強化」などが考えられる。IoTによるモノとヒトのつながりの拡大とは、モバイルやソーシャルネットワークとの連携による、新たなサービス体験の実現のこと。たとえば、「つながる家電」「スマートヘルスケア」といった分野に注目が集まっている。

 また、このようなIoTによる変革は、次のように、バリューチェーンの各機能に対して、適用することができる。

・IoTが適用されるバリューチェーン機能
- 製品開発・設計
- 製造
- オペレーション
- アフターセールス/サービス

 このように整理していくと、IoTの影響範囲の大きさを理解できるだろう。とはいえ、これでは対象領域が広すぎるし、いささか抽象的で分かりにくい。そこで、具体的な事例として、ネットワーク化された自動車「コネクテッド・カー」とそれをサポートする様々な環境を取り上げ、さらに具体的にIoTが実現する変革について解説していこう。

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この後のダイジェスト

  • 自動車間通信による安全・快適な走行環境の実現
  • ネットワーク化された自動車による自動車関連サービスの改善
  • 上流から下流まで、自動車開発の変革
  • 自動車だけじゃない、輸送・建設機械からビルディングまでIoTの活用領域
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