世界最大のソーシャルネットワークFacebookは米国時間10月9日、親指を上げたおなじみの「Like」(いいね!)以外のより広い範囲にわたるリアクションをユーザーが示せるようにする機能の試験を開始する。「Reactions」と名付けられたこの機能では、愛情、笑い、喜び、驚き、悲しみ、怒りを表すアイコンが提供される予定だという。同社関係者が8日、明らかにした。
リアクションを追加するには、携帯端末上のテスターらは「Like」ボタンを長押し、PCユーザーは「Like」ボタンにカーソルを合わせる。すると、一連のオプションがポップアップ表示される。投稿には、得られた各リアクションの数が表示されることになる。
Reactionsのテストは、直ちにすべてのFacebookユーザーを対象に実施されるわけではない。同社は、同機能の実地テストをアイルランドとスペインのみで開始する予定だ。
これは、外見上の変更に見えるかもしれないが、実際には同社にとって深い意味がある。「Like」ボタンはFacebookの取り組みに非常に深く組み込まれていることから、カリフォルニア州メンローパークにある同社本社で訪問客を出迎えるロゴにもなっている。同社は「Like」ボタンに関し、「気の利いたことが何も言えないのであれば、何も言うな」という昔からの忠告に従っているようにも思われた。しかし多くのユーザーにとって「Like」は、病気や死や犯罪といった不幸な出来事に関する投稿に対して遺憾の意を示す手段には使えないようだった。
「Dislike」(よくないね)ボタンを追加してほしいという要望が多数のユーザーから寄せられていたが、Facebookは何年もの間、それに応じることはなかった。Reactionsにおいて、同社は異なる方針を採用している。YouTubeやReddit、そして多くのインターネットフォーラムで採用されている、投稿を評価するかしないかという2択の投票を避けて、さまざまな感情を表現できるようにした。実際の議論がないままに投稿に対して否定的な反応が圧倒的に寄せられると、ユーザーは遠ざかり、共有する気をなくしてしまう恐れがある。それはFacebookが避けたい事態である。
Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は9月、同社本社で開かれたイベントでReactionsに初めて言及していた。Zuckerberg氏は「すべての瞬間が良い瞬間というわけではない」ことを認め、Facebookが、感情を表現するためのさらなる手段を求めるユーザーらの要望に応える機能を導入する予定であると述べていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス