Facebookは新しいボタンのテストを開始する予定である。このボタンによってユーザーは、対象に対して「Like」(いいね!)だけでなく他の種類の感情を示すことができるようになり、感情の幅が拡大される見込みだ。
Facebook共同創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は、「すべての瞬間が良い瞬間というわけではない」と同社本社で開かれた質疑応答セッションで述べた。例えば、シリア難民危機といった時事問題や家族の死は、人々が「Like」したいと考える対象ではない場合があることを認識していると同氏は述べた。しかし、ユーザーが他人の投稿に対して、何の感情もなしにただ賛成や反対の票を入れるのも望ましくないと同氏は考えている。
最終的には、ユーザーが自分の感情的な反応を共有するための方法をさらに拡大したいと考えていると同氏は述べた。「たったそれだけのシンプルなやり取りを交わせるようにすることが、驚くほど難しい」と同氏は述べた。
今回の動きは、世界最大規模のソーシャルネットワークである同社にとって、大きな方向性の見直しとなる。同社サービスを2015年8月に利用したユーザーは10億人を超えており、その「Like」ボタンは、同社サービスと同義ととらえられるようになったことから、カリフォルニア州メンローパークにある同社本社で訪問客を出迎えるロゴにもなっている。しかし、コメントを残す機能以外にFacebookが提供するのが、賛成や「いいね」という気持ちを示す親指を立てたボタンだけということに不満を感じるユーザーもいる。Facebookが新しいボタンをテストしていることを発表してから1時間以内に、Zuckerberg氏の質疑応答動画には1200を超える「Like」が寄せられた。
Zuckerberg氏は、2014年11月から1カ月に1回ほどの頻度で、タウンホールミーティングのような形式であらゆる質問を受け付ける質疑応答セッションを開き、インターネットのトラフィック規則といった技術トレンドや、言論の自由、テロなどの社会問題について議論している。
Zuckerberg氏が取り上げたもう1つの話題は、テクノロジの未来についてだった。特に、人工知能(AI)、つまり、自主的に思考および行動するマシンの能力である。AIと、特にそれがもたらし得る脅威については、技術業界の一部のリーダーらが発言し始めている。自身はそれほど不安視していないとZuckerberg氏は述べた。1つは、その技術がまだ基本的な段階にあるためだ。
しかしAIは、自律走行車に見られるように命を救う可能性や、病気の診断や治療を支援する可能性を秘めていると同氏は述べた。
「すべての新しい技術に、良いことを行う能力と悪いことを行う能力の両方がある」と同氏は述べた。「わたしは基本的に、人間性と、良いことを行う人間の能力を楽観視している」(Zuckerberg氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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