(編集部注:米CNETによる「iPhone 6s」のレビューを3回に分けて翻訳して公開します。第2回は10月9日に公開されています)
「iPhone 6s」を妻の友人に見せると、彼女は懐かしそうな表情になり、前モデルである「iPhone 6」について熱く語り出した。iPhone 6で生活が一変したのだという。画面が大きくなり、カメラが向上し、米国では「Apple Pay」も導入された。誰もが望んでいた点だ。筆者が今まで見たどのスマートフォンよりも完璧に近かった。唯一欠けていたのは、バッテリ持続時間の改善だけだ(「iPhone 6 Plus」についても同様)。
妻の友人に、新型iPhoneにおける最新技術「3D Touch」を見せてみた。彼女は、幻想的にアニメーションするロック画面を押し、指の下で踊るように泳ぐ魚を見つめた。確かに感心はしていたが、他に3D Touchでできることをすべて見せたところ、返ってきたのはこんな一言だ。「この機能、実際に使うかどうかわからない」
マイナーバージョンアップの年に当たる2015年にリリースされたiPhone 6sでは、バッテリ持続時間は改善していない。また、追加された最新の機能も、瞬く間に業界を変えてしまうほどではない。少なくとも、一見したところではそう思える。当然だろう。今回は「s」モデルであり、Appleはこれまでも1年おきのマイナーアップグレードで、デザインをわずかに変えたり、プロセッサ速度を引き上げたりしてきた。これは2014年にiPhone 6を購入しなかった人のためのモデルだ。過去数年のsモデルでは画期的な機能が追加され、iPhoneは大きく進化している。「iPhone 4s」では「Siri」に対応し、「iPhone 5s」では指紋センサの「Touch ID」が登場した。
新しいiPhone 6sと「iPhone 6s Plus」は、2014年モデルと同じように見える(メタリックピンクのローズゴールドモデルは除く)。多くの点で、使用感も同じだ。だが、見えないところに強みがある。この上なく大胆な最新技術が、3D Touchと呼ばれる新しい感圧式タッチスクリーン技術だ。改善点は他にも数多くあり、カメラ機能が強化され、システム全体の処理速度が向上したほか、Siriの音声起動が常時可能になった(文字どおり常時オンだが、無効にするなら話は別だ)。そして、まだ十分にテストする機会さえなかった点もある。ガラススクリーンを強化して完全に再設計された本体の作りだ。Appleは全般的に頑丈になったと主張している。今後検証を進めていくつもりだが、この点だけでも購入を検討中の大勢のユーザーにとって大きな違いになるだろう。
3D Touchは、タッチスクリーンとインターフェースにおける「次の大きなアイデア」なのかもしれないが、その一点だけで今回の新型iPhoneが絶対に欲しいと思えるものになるだろうか。もっとアプリが増えてくれば、いずれそうなるだろうとは思う。だが、現時点でのソフトウェア面のメリットはそれほど大きくない。
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