スポーツはテクノロジの力によってどうイノベーションしていくのか。スポーツトレーナーの視点から、海外を中心とした最先端の知見と事例を紹介する。今回は「スポーツ×IoT」をテーマに、自分のトレーニングメニューを管理したり、フィードバックを保存したりして、より効率的に筋力トレーニングができる「ウェルネス・キー」を紹介しよう。
張り切って入会したジムに最後に出向いたのはいつだろうか。ジムウェアやシューズを購入したのにも関わらず通うのをやめてしまった人は少なくないはずだ。1人で黙々とマシンに打ち込んできつい筋力トレーニングをこなしても、なかなか効果は目に見えてこない。高い料金を払ってパーソナルトレーナーを雇うのも少しはばかられる。見よう見まねでマシントレーニングをしてみても、周りの目ばかり気になってモチベーションをキープするのが難しい。
イタリアのセセナに本社を置くテクノジムは、ジムに通う人々がより効果的なトレーニングをし、よりよい生活ができるようにさまざまなジム機材を開発している。
ジム会員がスムーズにトレーニングに取り組めるようにメニューを保存しておいたり、トレーニング結果に対して効果的にフィードバックを与えるために開発されたのが同社の「ウェルネス・キー」だ。これは、ICチップが内蔵された記録メディアで、各トレーニングマシンに差し込んで使用する。
ジム会員は毎回自分の体の特性に応じて処方されたメニューを与えられ、パーソナルトレーニングを進めることができる。もう毎回のトレーニング量をメモしておくためにスマートフォンを持ち歩く必要はないのだ。カーディオマシンにウェルネス・キーを差し込むと、トレーナーが処方したプログラムをもとに自動でスタートする。終了後は、消費カロリーや走行距離を記録して報告してくれる。
ウェルネス・キーの機能はそれだけではない。毎回のトレーニングから得られるデータを保存し、次回のトレーニングに活用したり、パーソナルトレーナーとのカウンセリング材料にしたりできる。筋力トレーニングマシンでは、処方された回数のうち本当にこなせた回数をトラックし、重量や座席から重りまでの距離などを表示してくれる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス