では、マンガを含んだ電子書籍が、誰にどのように読まれているかを調べた、信頼のできる調査はあるのでしょうか。
その1つとして、毎日新聞社が毎年実施している「読書世論調査」を挙げられます。読書世論調査は、1947年に始まった、わが国で(そして、たぶん世界的にも)最も歴史のある読書調査で、2008年から断続的に電子書籍についても調べています。
それでは「電子書籍元年」と言われた2010年以降、「電子書籍で本を読んでいます」という人は、どれだけ増えたのでしょうか。それを示すのが次の図になります。
2011年版(調査対象は2010年)で1割だった利用率が、4年間かけて倍増したことがわかります。年代・性別に分けて見ると、以下のようになります。
突出しているのが、女性の10~30代。特に女性の20代の利用率が5割を超えているのが目を引きますね。
高齢者層で利用率が低いのはなんとなくわかる気もしますが、ちょっと気になるのが、男性の10代での利用率の低さ。女性の10代が44%もあるのに対し、わずか20%しかありません。SNSやゲームに時間を取られているのでしょうか……。
同調査では調査対象者の居住地別の数値も出しています。これを見ると、電子書籍は特に都市住民によく使われていることがわかります。
次に職業別に見ると、圧倒的に「学生」が多い。今のところ日本では、「都市部の女子学生」が電子書籍のトップユーザー層であるといってよいでしょう。
なお、この調査では、先の浜銀総合研究所の調査と違って、コミックスや雑誌、教科書、参考書などを排除せず、「携帯端末やパソコンで読める『電子書籍』」の利用率を尋ねています。現在、一般に使われている「電子書籍」のイメージに近い定義だといえます。
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