皆さんは、SNSでブロック機能を利用したことはあるだろうか。通常の人間関係では段々と親しくなったり、自然消滅したりするものだ。ところがSNSでは、友人関係は友達かそうではないかの二択でしかない。SNSの人間関係は意図的につながったり切ったりするしかないので、切られたり拒絶されたりした時の心のダメージは大きくなる。
R25とファストアスクによる調査(2014年10月)によると、LINEのブロック機能を利用したことがある割合は64.4%だった。ブロック経験がある人たちを性別で見ていくと、男性は55.9%、女性は73%にも上った。
ブロックした相手との間柄については、
となった。つまり、1位以外はすべて直接の知り合いや、少なくとも実際に会ったことがある人たちが並んでいるのだ。
ブロックした理由については、あまり仲良くない人や投稿を見たくない人、メッセージがしつこいなどの「付き合いたくない系」、プライベートにまで仕事を持ち込みたくない「仕事とプライベートは分けたい系」、別れた後も連絡されて迷惑などの「男女関係系」などとなった。
SNSが登場した当初は、ブロックは「もう付き合いたくない」「友達ではない」という意味を持つ重みがある行為だった。ところが、特に10代においては、ブロックがカジュアル化しているようだ。10代のブロック事情とブロックにいたる心理をみていこう。
「ブロック大会」をご存じだろうか。主にLINEで、「ブロックされたくない人はスタンプよろしく」「LINEが重くなってきたのでブロック大会します」という形で実施されることが多い。実際は、友達数はLINEの重さとは関係がないのだが、主に友達整理の口実として使われている。
「友達が多くなってわけが分からなくなってきたから、時々ブロック大会をしている」と、高校1年女子A羅は言う。A羅はTwitterで絡んだだけの人とも気軽にLINEでつながっている。つながりが軽いからこそ、切る行為も軽く行われる。SNSにおける友達関係が、大人よりもとても軽いのだ。
「ブロック大会をするとみんな私から切られたくないんだなと思うし、たくさんスタンプがもらえて嬉しい」というA羅。しかし同時に、「かまちょ」「人気自慢」と言われたこともあるという。「かまちょ」とは「かまってちょうだい」からきた言葉で、「(SNSで)かまってほしい」「遊んでほしい」意味で使われている。そこから、「かまってちゃん」という意味でも使われることがある。
「LINEは絡みがある人だけにしたい」というが、そもそもブロック大会は「自分と付き合いたい人」をふるいにかける行為だ。あくまで自分は選ぶ側となる上から目線の行為なのだ。自分と付き合いたい人たちが可視化でき、気分がいいからこそ流行したのだろう。
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