クックパッド、メルカリ、nanapiが明かすコミュニティ運営のコツ - (page 2)

アンサー : 基本的には人の目でまず見ている。投稿が何文字以上じゃないといけないとか、何回連続で投稿したら消されてしまうという機械的なルールにはしていない。ただ単に楽しいコミュニケーションをした結果、何回か連続で投稿したという方も出てくるので、問題がなかった人にまで制限がかかってしまうのは、ベースとして良くないと考えている。人の目でフィルタを通した後に、荒らしの人が思う存分荒らすけれど、周りのユーザーには気づかれないみたいな仕組みを考えているところ。

ファシリテーターのnanapi古川氏 : 余談だが、荒らし対策の会議をすると、結構殺伐としがちなので、ものすごい緩やかな会議にしようといっている。そうすると、荒らした人には制裁を与えるみたいな話にはなりづらくて、「ネコの動画を1分間みせよう、しかもすごい高画質で」みたいな和やかな対策が出てくるので良いなと思う。

クックパッド : 誹謗中傷のコメントや、コンテンツでいうと公序良俗に反する画像を使う方もいる。ただ、投稿の敷居を下げたいので、誰でも自由に投稿できるようにしているが、なるべく早い段階で運営も目を通すようにしていて、本当によくないものは削除するし、疑わしいものも減らすように心がけている。なので、特に投稿前の規制はしていない。

メルカリ : 同じく投稿前の規制はしていない。ただし、業者はNGの方針でやっているため、大量に出品するようなスパム出品をする人には、アラートを出して注意している。

――社内の理解はどのようにして得ているのか。

メルカリ : まだ出品数や取引を伸ばすところを重視していて、ようやく半年ほど前から、CXというポジションを設けた。短期的には出品数に跳ね返ってこないけれど、絶対にやったほうがいいよねということで始めた。個人的にはそこはテーマ。経営者からは、やはりKPIを求められるので、コミュニティマネージャという職種に立つ人は、いかに会社の成長に役立っているかというストーリーを作ることが大事。

クックパッド : 割と数字は重視している。コミュニティというと、すごくふんわりした感じになってしまうが、結局それで投稿などがどれだけ増えたかを結構シビアに見ている。投稿だけではなく、コミュニティを活性化させるという意味で、レシピコンテストなどの施策で自由に投稿できるようにしているが、それによって応募がどれだけ増えたかなどをKPIにしているので、シビアに成績が見えるようになっている。

アンサー : 4月にできた職種で、私がこの会社では初めてなので探りながらやっているが、あまりコミュニティマネージャだからと意識はしていない。(以前、担当していた)開発ディレクターの頃と比べると、やることは少しコミュニティ寄りにはなっているが、特別何かを変えたということはない。自分も1人のユーザーとして、開発者に「皆はこういうことを考えているよ」と伝えている。

 開発者が考えて実装したものに対して、もしユーザーがアプリ内で何か言っていたら、そういうものを徹底的に拾って、「問い合わせにはきていないけれど、アプリ内でこんなこと言ってたよ」と、社内チャットで伝えたりしている。鬱陶しいかなと思うこともあるが絵文字もたくさんつけて共有している。


参加者からさまざまな質問が寄せられた

――ヘビーユーザーなど利用者ごとに指標を分けているのか。

アンサー : アンサーには「カテゴリ」があるが、「ポエム」や「ニュース」「恋愛」など、それぞれのカテゴリでのコミュニケーションは微妙に違うと思っている。1人が話したことに対して皆が相談型で話していくものや、最終的には1対1で深い話ができるものなど、そこは、一概にコメントが伸びた方が良いわけでもなく、場合によっては参加者が多いほうがいいこともある。カテゴリによって、いろいろ違うかなということを考え出しているところ。

クックパッド : ユーザーの投稿の段階では、ある程度コミュニケーションやフィードバックの仕方を分けている。初めてレシピを投稿した人に対しては、すごく手厚く「初めてレシピが公開されました」とか「初めてアクセスがきました」と表示している。それだけでユーザーの意識は変わる。こんなに私のレシピを見てくれている人がいると。

 そのあとは、たとえば投稿数を10品、50品、100品などメモリアルな数字で切って、そこに対してアルバムのような画像を作り壁紙としてプレゼントしたりしている。(投稿者が)ベテランになればなるほど、区切りを大きくして大きなものを返してあげる形にしている。ほとんどプロみたいな方もいるので、そういう方に対しては一種の公式化みたいなことをしてレシピ本に載せてあげたり、出版社を紹介してその方の本を出したりもする。

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