Uberによると、中国で最も人気の高いメッセージアプリ「WeChat」で、ユーザーがUberのアカウントにアクセスできない状況が続いているという。Uberは、中国市場における投資が増えるにしたがって、この状況は変わると考えている。
アクセス遮断とみられる状況は、WeChatの親会社Tencentが出資する競合の配車サービスDidi Dacheが、Alibabaが出資するKuaidi Dacheと2015年2月に合併してから始まった。Bloombergによると、Uberは中国の複数の都市におけるカスタマーサポートのプロフィールなど同社のアカウントが、3月以降徐々に使えなくなったと述べたという。
また、BloombergがUberのビジネス担当シニアバイスプレジデントEmil Michael氏の話として伝えたところによると、TencentはWeChatにおけるUberのアカウントをすべて利用不能または利用停止にしたという。「それ(Didi DacheとKuaidi Dacheの合併)以降、競争の激しいこの市場で状況が悪化し始め、3月にはついに、当社のアカウントが事実上遮断されるという最悪の状況になった」とMichael氏は述べている。
中国の地元メディアによると、Tencentは以前、この問題の原因はUber側のポリシー違反と技術的な不具合にあると説明していた。ただし、Tencentは、合併前のKuaidi Dacheに対しても、WeChat上で同社の乗車クーポンへのアクセスを遮断していた。
Uber自身も、米国で競合他社に対して不正が疑われる戦略を用いたとして非難を浴びたことがある。ライバル企業のLyftは2014年、UberがLyftのドライバーを妨害して乗客をUberに呼び込むために、Lyftで5000件を超える予約をしてはキャンセルするという行為に及んだと述べている。
WeChatでのアクセス遮断は、Uberの中国におけるプレゼンスを低下させる可能性がある。WeChatは、急成長する中国の消費者市場をターゲットとするブランドにとって、マーケティングと宣伝に欠かせないプラットフォームだからだ。
WeChatは、世界中で5億4900万人を超える月間アクティブユーザーを抱えており、その多くは中国在住だ。そうした人々は、このモバイルアプリをコミュニケーションツールとして利用するだけでなく、中国内外のブランドから最新情報やクーポンを入手するために使っている。このプラットフォームには決済サービスがあり、小売業者はWeChatユーザーとの間でオンライン取引ができる。
ただし、Michael氏はBloombergの記事の中で次のように語っている。「われわれが成功を続け、長い間この市場に携わっていくことは明らかだ。われわれは、中国人投資家の支援を受けており、複数の都市と提携を結び、地域経済への投資を続け、地元の投資家はわれわれの成功に関心を示している。したがって、今後は緊張状態が和らいでいくと考えている」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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