Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏は米国時間8月24日、CNBCの番組司会者Jim Cramer氏に電子メールを送付し、株式市場で懸念が高まっているが、「7月と8月を通して中国で当社の事業は力強く成長し続けている」と述べた。また、「iPhone」アクティベーション件数の増加率が「この数週間で加速」し、AppleのApp Storeはこの2週間、中国で今年最も高い業績を上げたと付け加えた。
「当然ながら未来を予測することは私にはできないが、われわれの業績は現四半期のこれまでのところ安心できるものだ」とCook氏は記した。CNBCの別の司会者であるCarl Quintanilla氏がツイートで明らかにした。「さらに、中国はLTEの普及率が非常に低く、また、最も重要な点として今後数年間で中流階級は目覚ましく台頭することが見込まれるため、長期的には例を見ないほどの潜在性を秘めていると、私は引き続き考えている」(Cook氏)
Appleの広報担当者はCook氏がメールを送付したことを認めたが、それ以上のコメントを控えた。
Cook氏がこのようにコメントを出すのは異例の動きだ。Appleは通常、財務実績について四半期決算報告まで口を閉ざしている。不安定な中国情勢への懸念から、Appleの株価はこの数週間下落している。中国株式市場は24日、8年間で最大の下げ幅を記録し、中国メディアはこれを「ブラックマンデー」と呼んでいる。景気減速への懸念が、中国と中国に関連するすべての企業や国に打撃を与えている。
Appleの株価は24日、100ドル前後で推移した。Appleが第3会計四半期決算を発表した日の株価終値は130.75ドルだったが、株価はその後下落の一途をたどっている。
6月までの四半期に、中国は引き続きAppleにとって最も好調な地域の1つで、売上高は倍増して132億ドルとなった。Cook氏は7月のアナリストらとの電話会議で、同地域の業績は「素晴らしかった」と述べた。同氏は、株式市場で最近生じている問題がAppleの「成長ペースを減速」させるかもしれないが、それでも中国はAppleにとって最大の市場になると考えていると述べていた。
3月までの四半期で、中国は米国を抜いてApple最大の「iPhone」市場となり、総売上高では欧州を抜き、米州に続いて2番目となった。しかし、景気が減速して需要が枯渇し始めれば、中国はAppleにとって確実な市場とはいえなくなる恐れがある。Gartnerは7月、中国の失速を主な要因として、スマートフォンの年間成長予測を下方修正している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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