Appleは、「Apple Pay」を中国で提供しようと試みる中、多くの障害にぶつかっているようだ。
MarketWatchは米国時間2月16日、中国人民銀行の関係者の話として、Appleが特定の銀行や金融機関と連携しようとしていると報じた。ただし、Appleはまだ「規制当局に伝えて」おらず、「この製品(Apple Pay)が中国政府の要件を満たすかどうかは不明だ」と、この情報筋は付け加えた。
中国は世界最大のスマートフォン市場であり、世界展開を目指すApple Payにとって重要な機会となる。だが中国政府と国営企業との交渉は、細心の注意を要し、困難なプロセスとなり得る。
Apple Payを中国に持ち込もうとするAppleの取り組みには、同国のキープレーヤー2社の存在が関わってくる。銀行カードサービスを手がける国営のUnionPay(中国銀聯)と、Eコマース企業のAlibabaだ。AppleがApple Payを中国で利用できるようにするには、どちらか1社または両社と連携する必要がある。というのも、UnionPayは近距離無線通信(NFC)ベースのシステムを運用し、China Mobile(中国移動)とChina Unicom(中国聯通)の顧客が携帯電話を使って商品の支払いができるようにしているからだ。UnionPayのシステムはNFCで決済できる中国唯一のチャネルであるため、小売業者に課される料金はUnionPayが設定している。
AppleがUnionPayのシステムを利用するための協議は行き詰まったと、両社に近い情報筋はMarketWatchに語った。
中国のスマートフォンユーザーは、Alibabaの「Alipay」サービスを使って決済することもできる。匿名のAlipayの従業員によると、AppleとAlibabaは過去に、モバイル決済システムの構築を目的とする指紋認証技術を開発するため協業したことがあるという。そのようなシステムがあればUnionPayのサービスを回避でき、AppleはApple Payを前進させることができるかもしれない。しかしAlipayは、NFCベースの決済でUnionPayの独占状態を回避する手段をまだ見つけていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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