9月は、Apple関連テックブログにとって書き入れ時だ。なぜなら、Appleが通常なら新しい「iPhone」を登場させるからだ。また、その発表が近づくにつれて雰囲気が盛り上がりを見せるが、それは「消息筋」と想像力をかきたてるうわさによって緊迫感が高まるからだ。しかし、iPhoneがショーの主役であることに変わりはないが、他の製品について思いを巡らす(うわさとともに)のも一考だろう。例えば、「Apple TV」についてだ。
9to5Macは、次期Apple TVに関する情報を消息筋の話として報じた。その記事には、同製品の機能に関する推測も添えられているが、信ぴょう性の高そうなものから突拍子もないと思えるものまでさまざまだ。
9to5Macの消息筋らによると、「Apple TV」の次期バージョンのソフトウェアコアは「iOS 9」コードベースを基盤として構築されるという。これは、Appleにとって、より統一されたエコシステムを意味する可能性があり(そして、新しいアプリエコシステムの形成を可能にすると思われる)、ユーザーにとって、さらになじみ深く使いやすいプラットフォームを提供することを意味する。すべてが理にかなった動きであり、また、AppleがiOS 9を2011年版の旧型「iPhone」で動作可能にすることができれば、新しいApple TV上で軽量版を動作させるためのハードウェア要件は、それほど高いコストをかけなくても満たすことができる。
記事にある処理能力の強化については、疑問の余地はないだろう。現行のApple TVには、「A5」チップの改変版が搭載されている。「iPhone 4s」や「iPad 2」に搭載されているA5はデュアルコアだが、Apple TV用のチップはシングルコアにダウングレードされている。このチップを使用するApple製品はApple TVだけであるため、他の製品で使用されているチップにアップグレードすることが、コストとサプライチェーンの両方の観点から理にかなっている。
「Siri」のサポートもあり得る話だ。スマートウォッチで動作させることができるのならば、セットトップボックスで動作させることはAppleにとってそれほど難しくないはずだ。
ただし、新しいリモコンや大容量ストレージなどの装備となると、ここで疑問が生じる。現行のApple TVの小売価格は69ドルで、新しい機器も同じ価格帯で提供される可能性が高い。そう考えると、タッチディスプレイや「Force Touch」を備えるリモコンが付属される可能性はまずない。しかし、どのみちAppleは、フル装備のリモコンをApple TVに付属する必要はない。それと同じ機能を持つiPhoneや「Apple Watch」をユーザーに販売すればよいからだ。Appleは、単独の機器ではなく、エコシステムや製品の構築を目指してビジネスを展開している。
また、Apple TVのストレージ容量が8Gバイトをはるかに超えるサイズにまで増加することについては、Appleが4K対応やダウンロードコンテンツを格納する機能を追加したいと考えているのではない限り、あまり意味はないと筆者は考える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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