パナソニックが見据える2020年の一端が、東京・有明にあるパナソニックセンター東京内の「Wonder Life-BOX」で提案されている。2020年以降の未来のくらしをイメージして作られたWonder Life-BOXでは、宅配便を24時間適温で受取り、保管ができ、センサによる温度管理で、暑ければ冷房、寒ければ暖房、花粉が飛んでいればエアシャワーが作動する。“パートナー”と呼ばれるキャラクターが宅配ピザの注文や料理のレシピ検索といった様々な場面で、暮らしをサポートしてくれる。
こんな夢のような未来の生活空間を、パナソニックは最先端の技術と現行の製品で実現した。未来の住宅、家電、街づくりはどう便利になっていくのか。パナソニックが考える2020年以降の未来の豊かな暮らしを、パナソニックセンター東京展示課課長の平木政春氏に聞いた。
2014年の5月に第1弾をオープンし、今回のリニューアルが第2弾になります。企画自体は2013年にスタートし、「未来の暮らしはどうなるのか。パナソニックの技術やソリューションは生活空間にどう組み込まれていくのか」を形にするために始めました。今回のテーマは「2020年以降の未来の暮らし」で、現在から7~10年先を想定しています。
2020年と聞くと、どうしても東京オリンピック・パラリンピックを思い浮かべてしまいますが、そこをターゲットにしているわけではありません。商品化のめどが立ちつつある2~3年後よりも、さらに先の7~10年を見越して社会の課題やメガトレンドから、未来の暮らしを想定したものがWonder Life-BOXになります。
考え方としては、常に7~10年先を見据えて、そこが近づいてきたらさらに先の時間軸にずらしていこうと思っています。今回の展示は、2020年以降の未来の豊かな暮らしを考え、“街と家とのつながり”、“ユーザーベネフィット”、“暮らしのパートナー”の3つをポイントにリニューアルしました。
新たに設置した「Wonder Town」は、未来の街角を表現したものです。ショーウインドウの透明ディスプレイが瞬時に映像に切り替わることで、デジタルサイネージとして広告などを表示できます。また「光ID」を採用し、スマートフォンをかざすだけで関連するウェブサイトにアクセスでき、商品の情報が表示されてそのまま購入できるといった、未来の街角とネットが融合した姿を具現化しました。
玄関先のスペースには“土間”をイメージした「井戸端コミュニティ」を設けました。近所の人と気軽にコミュニケーションができるスペースとして活用できますし、大型モニタを設けることで外の天気や気温、地域情報などを見ることができます。
単身高齢者の増加に伴い、「孤立」を将来の不安に挙げる方も少なくありません。そうした不安を解消するためにも、地域の人同士が集まれるスペース、行政とつながることができる提案を盛り込みました。
未来の暮らしをイメージしやすいよう、技術や機能の説明ではなく、ユーザーベネフィットの視点からすべてストーリーを作り直しました。
例えばキッチンでは、冷蔵庫の中にある食材が把握できて、その食材を使ってできるレシピを紹介する、バースデーケーキを作るときのデコレーションを映像でガイドするなど、今まで目で確認して、本やインターネットを使って調べていたことを、すべてキッチンにいながらパートナーが提案し、教えてくれる未来を描きました。
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