今回最も力を入れた部分の1つがパートナーになります。従来も“コンシェルジュ”と呼ばれる、パートナー的役割を設けていたのですが、どうしても家で暮らす家族とコンシェルジュという主従関係になってしまっていました。
それよりも、もっと身近で家族の一員になるような形が良いだろうとの思いから生まれたのがパートナーです。「あかりちゃん」と名付けられていて、プロジェクタを使って投影することで、家中のあらゆる場所に現れて、暮らしをサポートしてくれます。
特に気を使ったのは、あかりちゃんがいてほしい時にふわっとでてきてくれるような設定にしているところです。キャラクターの設計はバンダイナムコエンターテインメント(バンダイナムコ)に依頼し、パナソニックはUIや人工知能の部分を担当しています。
バンダイナムコの方によると、やはりパナソニックは以前の「明るいナショナル」に代表される、照明、電球のイメージが強いとのことです。そのイメージをキャラクターに仕上げていただいて、名前もあかりちゃんに決定しました。
表情も豊かで、例えば家族に提案が受け入れられないと悲しそうな顔をしてみせます。そういうちょっとした人間的な部分、隙を感じさせる部分を大切にキャラクター化しています。
話ができるキャラクターとして、UIは対話をメインにしています。構想時にはリアルなロボット的なキャラクターも考えたのですが、2階にあるベッドルームへの移動手段や、必要な時だけ現れるというコンセプトを考慮した結果、今回はプロジェクタによる表示という形をとりました。
ふわっと現れてすっと消える。家中どこにでもついてくるなどの動きもプロジェクタを使うことで実現しています。プロジェクタレンズの前の鏡を動かすことで、かなり広い表示範囲をカバーしました。
業務用プロジェクタを10台程度使用しています。将来的には、液晶ディスプレイや有機ELなどのデバイスも発展していくと考えていますが、プロジェクタは照明と一体化する可能性があると思っていて、Wonder Life-BOX内でも、そういった使い方を提案しました。
リビングルームは家族が集まる場所ですが、お子さんは成長するにつれ、自室に引きこもってしまう傾向があります。お子さんはゲーム、お父さんは読書、お母さんはテレビと、それぞれやりたいことは違っても、せめてリビングルームで顔を合わせたいと感じている方は多いと思います。
ゲーム、読書、テレビを同じ空間で実現するには、それぞれの明るさに合わせた照明を用意し、それをスポット的にあてることで、各自がやりたいことをしながら、リビングルームに集えると思いました。
そのスポット的な照明としても、プロジェクタを利用しています。将来的には、超指向性スピーカと組み合わせて、対象者に向けた音も聞こえるようにしていきたいと考えています。そうすれば、各自がそれぞれ別のことを行っていても、空気感は共有できる。そういうリビングルームが実現すると思います。
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