いまでは数え切れないほどのコミュニティサービスが存在するが、古川氏は大きく3タイプに分類できると話す。そこで、最後にそれぞれのタイプの特徴とマネジメントの際の注意点を聞いてみた。
ここには「mixi」のコミュニティや「クックパッド」、そしてnanapiの「アンサー」などが該当する。このタイプのコミュニティサービスで陥りやすいのが、黎明期からサービスを支えてきたいわゆる“古参”ユーザー同士が親密になりすぎること。その結果、排他的になり新規ユーザーが入りにくくなるという問題がある。
先述したように、アンサーでは匿名かつフォロー機能も除いたことで、ユーザー同士が親密になりすぎず、新規ユーザーでも気軽に投稿できる設計にしている。
「ニコニコ生放送」や「ツイキャス」、「755」などがこれに該当する。これらのサービスは、スターが生まれれば急成長する可能性を秘めているが、そのユーザーが他のサービスに移ってしまうと、ファンがごっそり抜けてしまい、一気に廃れてしまうリスクがある。そのため、1人のスターに依存しない状況を作ることが大切だという。
「ニコニコ動画」や「Yahoo!ニュース」などが該当する。コンテンツを中心にコメントが投稿されていくので、ユーザー同士のコミュニケーションが少ないことが特徴。「ワイドショーを見ながら喋っている主婦に近い。場としてはかなり荒れやすいが、それでもいいという設計思想」(古川氏)。
このタイプのサービスの特徴として、当初は著名人やアーリーアダプターなどしかコメントを残さないが、サービスが拡大するにつれて、質の低いコメントなども増えてしまい収集がつかなくなるという問題がある。
これに対し、たとえば「NewsPicks」では、各領域で活躍するユーザーを“プロピッカー”に任命して、記事へのコメント投稿を促すなどしている。その他の対策としては、フォロー数が多いユーザーのコメントを優先的に表示するなどして、良質なコメントのみを閲覧できる状況にすることが有効だとした。
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