Googleは、自社のスマートメガネ「Google Glass」を2015年1月から正式に中止状態することで、同スマートメガネに消費者の関心を惹きつけるための新しい方法を模索している。一方で同社は、より良い反応が得られそうな顧客にGoogle Glassを訴求しようとしている。つまり、職場だ。
The Wall Street Journal(WSJ)によると、Googleは、医療、製造、エネルギーといった業界の職場向けに特に設計された新しいバージョンのGoogle Glassを各種企業に配布しているという。
その製品は、1500ドルで提供されていた元のGoogle Glassとは外観が異なると、その記事には記されている。新しいバージョンは、フレームが一体になっておらず、別の眼鏡に装着するためのヒンジが付いている。またこの職場向けバージョンは、バッテリパックが付属しており、プリズムが長くなっている。プリズムは、通常の視界の上にデジタル画像やグラフィックスをどのように重ねて表示するかを定めるものだ。
Googleはコメントを避けている。
Google Glassは2012年、Google共同創設者のSergey Brin氏によって大々的に初披露された。しかし、その熱狂はすぐに消え失せ、同製品は批判の対象となり論争が巻き起こった。カメラを内蔵するGoogle Glassは、プライバシーの侵害だと感じる反対者らの攻撃の的となった。オタクっぽく見えるからという理由で、単純に同製品を嫌う人もいた。
企業向けバージョンでは、プライバシーやファッション性の問題を回避できるとGoogleは期待している。そのような問題は、職場環境ではそれほど問題にならない傾向にあるからだ(例えば、建設現場の作業員は、安全用ヘルメットとともにGoogle Glassを装着した場合の外観など気にしない可能性が高い)。
Googleは1月に同プログラムを「一時休止」したが、職場に対する訴求をやめることはしなかった。同社は2014年1月から、「Glass at Work」というプログラムによって、職場でのGoogle Glassの使用を雇用主らに促すことを特に目的とした取り組みを進めており、それに加えて、同製品用のプログラム開発を続けるよう、アプリメーカーを説得する活動も実施している。例えば、同社はTaco Bellとともにアプリを試験し、同社従業員がメニューにあるアイテムを組み立てることを支援した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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