NTTドコモは7月22~23日、神奈川県横須賀市にある横須賀リサーチパーク(YRP)の中にあるドコモR&Dセンターにて「5G Tokyo Bay Summit 2015」を開催した。第5世代の移動体通信に関する技術を集めた展示イベンドだ。
特別講演として「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における情報基盤の重要性」が行われた。5Gの商用化は東京オリンピック・パラリンピックの時期と重なることから、東京オリンピック・パラリンピック競技大会 組織委員会から井上淳也氏が登壇。東京オリンピック・パラリンピックに向けた通信インフラの規模感や整備について語った。
オリンピックは、テレビなどの通常の放送やネット中継で非常に多くの人が見るイベントだ。2012年のロンドン大会では放送が述べ10万時間を超え、ネットも含めると48億人が映像を視聴できる環境にあったという。ロンドンのときの通信環境に対する規模感としては、電話回線が1万6000回線、モバイル回線が1万4000回線という状況だったが、東京ではモバイルの比重がさらに高まると見る。
ロンドン大会は準備を始めた時点ではスマートフォンはまだ普及していなかったが、開催前年の2011年に爆発的なiPhoneの普及があり、開催まで1年と迫った段階で、BT(ブリティッシュ・テレコム)がWi-Fi環境を整備してモバイル通信のオフロードを可能にした。
さらに井上氏は「放送等に加えてユーザー間のコミュニケーションがもうひとつ大きなメディアの柱。会場の感動をネットを通じて、世界中の人に配信できることが重要。会場から伝えたいが、回線が混んでて使えないから発信できなかった。それでは感動の共有は半減してしまう」と、ユーザー間の口コミ情報の発信の重要性を指摘した。
なお、講演の中で、井上氏は避けては通れない話題として新国立競技場についても触れた。「2019年に完成している状態で、ラグビーの大会で実際の試合でのオペレーションが経験できて、そこから1年近く準備していけば十分準備できるという考えでいた」と明かした。また、競技場計画が白紙になったことで「それに合ったシミュレーションをしていく必要がある。心配が増え、今は緊張感を持っている状況」と説明した。
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