続いて、基調講演としてNTTドコモから取締常務執行役員の尾上誠蔵氏が「DOCOMO's vision toward 2020 and beyond」と題して講演した。尾上氏は以前より5Gには代表的な技術はないと指摘していた。今回も基本的にはそれは変わらないが、5Gは技術ではなくエコシステムが先になり、それを支える技術こそが5Gと結論づけた。
尾上氏は約10年前の4G世代を振り返り「10年前の4Gの議論と、今日の5Gの議論は全く違う」とした。その理由として、4Gのときは通信実験も完成し、4Gとしての技術革新があったが、5Gは世代を代表する技術がない状態なのだという。
現在、正確な5Gの定義は定まっていないが、5Gは「高速大容量」「低遅延」「超ローパワー」「新たなビジネスモデルを作る」といったことが考えられる。特に「5Gとは、技術の側面とエコシステムがある。5Gはエンドツーエンドのエコシステムである。技術ではない」と、エコシステムが先にあることを強調。技術が先行していた3G/4Gとは異なり、支える技術こそが5Gであるとした。
尾上氏は技術が先にこないことを「本来、あるべき正しいやり方、新しい技術は使い方を考えた上でやるのが正しい」とし、「5Gを使って、どういうサービスができるのかは、早めに議論しておきたい」と語った。
尾上氏はドコモが「5Gアイデアソン・ハッカソン」を実施すると予告。8月22日にキックオフイベントを行い、2016年の第3四半期に披露するスケジュールだ。尾上氏は「5Gの能力を活用したいろいろなサービスが早期に開設できるよう、パートナー、開発者、ユーザーにとってどういうことができるのか、イベントを通じて開発していきたい」と希望を述べた。
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