iTunes Matchと同じくiCloud Music Libraryでも、コレクションをスキャンして、iTunesカタログの4300万曲の中にある楽曲が見つかった場合は、その曲が「アンロック」され、他のユーザーがApple Musicで利用できない楽曲であってもストリーミングできるようになる。たとえば、The Beatlesのアルバム「Abbey Road」を持っているとしよう。このアルバムはApple Musicに含まれていないが、iTunesで購入できるのでストリーミングが可能になる。
無名の曲や地元バンドの音楽のようにiTunesで購入できない楽曲については、それらのファイルがユーザーのiCloudアカウントにアップロードされ、Apple Musicアプリでストリーミングできるようになる。アップロードした楽曲はiCloudの容量制限に計上されないが、現時点では2万5000曲までしかアップロードできない。Appleによると、2015年にリリースされる「iOS 9」によって、この数が10万曲になるという。
理屈のうえでは素晴らしい話に思えるが、iCloud Music Libraryには重大な問題がある。「Settings」アプリでこのオプションをオンにすると、iPhoneに保存していた楽曲が消えてしまったと多くのユーザーが苦情を述べている。筆者がiTunesで購入した楽曲(現在は筆者のiCloud Music Libraryの一部)は、iPhoneでは問題なく表示されているが、iPadでは表示されなくなった。明確な理由はわからない。
デスクトップ版のiTunesを使うと、コレクションのほとんどはMusic Libraryに自動的にアップロードされたが、一部のオーディオファイルはうまくいかなった。「This item was not added because an error occurred」(このアイテムは、エラーが発生したため追加されませんでした)というメッセージか、「item is not eligible for iCloud Music Library(アイテムがiCloud Music Libraryの対象ではありません)」というメッセージが表示されてしまう。どちらのメッセージにも、問題解決につながるようなエラーの原因は示されていない。
しばらくは、iCloud Music Libraryは気を付けて使ってほしい。問題なく動くこともあるが、まったく表示されないか、iTunesライブラリをめちゃくちゃにされてしまうおそれもあるからだ。
再生するプレイリストやアルバムを選ぶと、すべてが「Up Next」キューに追加される。このキューは、アプリ下部に表示される現在再生中の曲をタップしてから、右側の箇条書きアイコンをタップすれば見ることができる。Up Nextでは、次に再生される曲や再生履歴を確認でき、このリストを消去することも、検索して他の曲を追加することも可能だ。
Apple Musicのストリーミングはビットレートが256Kbpsで、Spotifyの最高レート320Kbpsより低い。したがって、Apple Musicの音質は他のストリーミングサービスと比べて若干悪いのかもしれないが、ほとんどのリスナーにはその違いがわからないだろう。筆者がテストしたところでは、Wi-Fiとデータ信号が強力であれば音質は申し分なかったし、ダウンロードした曲をオフラインで再生するときも音質は落ちなかった。
後編に続く。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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