ワイズ氏は、グローバルで人口を上回る72億台のモバイル端末が稼働している状況を背景に、2010年は1%台だったPayPalのモバイル決済比率が今年の第1四半期では30%を超えていると紹介。日本においても、今年第1四半期に初めてモバイルがPCを上回り、Eコマース取引の51%がモバイル端末経由での取引であるとした。
その上でワイズ氏は、日本においてここ数年で台頭してきた多くのスタートアップ企業のほとんどが、モバイルアプリを軸にした事業展開であることを指摘した上で、「PayPalはアプリ内への決済機能組み込みとカメラによるカード番号読み取り機能などを4時間余りで導入できるモバイルSDKを提供している」と説明。また、増加するシェアリングエコノミーなどのCtoCサービスに対しても、サービスの特性に合わせたAPIを提供していると説明し、国内ではランサーズ、Uber、Airbnbなどが利用していると紹介した。
ワイズ氏は、PayPalがこのようにスタートアップの支援に力を入れる理由として“スタートアップ・コミュニティへの還元”を挙げ、「PayPalも最初は小さなスタートアップで、コミュニティの支援がなければ成功できなかった」と振り返った。なお同社では、決済手数料を免除するプログラムや開発者向けのハッカソンなどで、スタートアップ企業を積極的に支援しているという。
またワイズ氏は、モバイルの普及が小売店におけるショッピング体験をも変革させていると指摘。東京五輪・パラリンピックが開催される2020年に向けてオムニチャネルなどの次世代型ショッピング体験を世界に向けてアピールしていきたいという需要が高まっており、PayPalもさまざまな小売チェーンとリアル店舗におけるモバイル決済をテストしているのだという。
「日本政府も2020年に向けて決済の電子化に力を入れているが、その目標達成にモバイル決済がカギになることは間違いないだろう。オンライン、リアルに関係なくモバイルを前提に考えることは必須だと言える」とワイズ氏は語った。
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