分社独立&再上場を果たしたPayPal、3つのキーワードで今後の戦略を語る

 電子決済大手のPayPalは7月20日、eBayから分社、独立してNASDAQ市場に再上場した。同21日には都内で記者発表会を開き、PayPalの日本地区責任者であるエレナ・ワイズ氏が、日本における今後の事業戦略について説明した。そこには、「中小企業」「モバイル」「訪日観光」という日本のビジネスシーンにおいても重要視されている3つのキーワードがある。


PayPalの“ジャパンカントリーマネージャー”であるエレナ・ワイズ氏

 ワイズ氏は、グローバルにおけるPayPalの今後の方向性として、「世界をリードするオープン決済プラットフォームになること。消費者やビジネスにとってワンストップのサービスを提供し、真のパートナーになることだ」と語る。

 その例として、同社がPayPal決済、カード決済を導入したい企業向けに配布しているSDKは、ビットコイン、Apple Pay、Android Payによる決済にも対応すると表明。また、UI/UXをより直感的に利用できるようにし、バックグラウンドのシステムを改善し企業が決済を導入する際のスピードアップを実現していくとした。

 「ビジネスやデベロッパーに対しては、デジタルコマースの“OS”としてさまざまな需要にワンストップで応えていきたい。消費者に対しては、お金そのものをもっと簡単に安心して利用できる環境を整え、人々がより自分の人生に集中できるようにしたい」(ワイズ氏)。

 その上で、日本市場においてPayPalと企業の間にあるビジネス機会として、ワイズ氏は「中小企業」「モバイル」「訪日観光」を挙げた。中でも、モバイルと訪日観光(インバウンドEC)は同社が「次世代のEコマース」として注力していきたい分野だとしている。

ECビジネスのモバイル化や越境展開を支援したい

 ワイズ氏は、中小企業はその国の原動力として経済に大きな影響を与える存在だとし、PayPalがグローバルで多くの中小企業が決済ツールとして利用していることを紹介。その背景として、PayPalが創業した17年前はまだEコマース黎明期でありPayPalがネット決済手段として唯一の存在だった中、導入の簡単さや取引の安全性が担保されていることなどを背景に、多くの中小企業に利用されることでともに成長してきたと説明した。


中小企業が導入しやすい簡単さや安全性を提供

 今後の日本での展開についてワイズ氏は、「日本ではすでに数万の企業がPayPalを利用しているが、Eコマースのモバイル化、海外展開の必要性など、PayPalが日本の中小企業に貢献できるのはこれからだと考えている。そのためには、企業だけでなく国や自治体ともパートナーシップを進め、地方創生や中小企業のEC化、モバイル化、越境EC化(海外向けサービス展開)を支援していきたい」と語った。

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