スマートフォンによるエアコン遠隔操作の対応機種が急激に増えている。メーカーの対応具合やできることは、こちらを見ていただくとして、いち早く全機種対応となったダイキン、シャープ、そして最初にスマートフォンによる遠隔操作で話題となったパナソニックの3社のリモコンを実際に自宅に導入してみた。
リモコンを開始するには、対応エアコンと通信アダプタがセットされた状態から設定作業を行う。通信アダプタの説明書を見た限りでは、各社とも工事担当者の作業は通信アダプタの設置までで、通信アダプタの無線LAN設定や、アクセスポイントとの接続以降はユーザー自身で行わねばならない。
次にスマートフォンの設定だ。基本的にはアプリを起動し、各社のクラウドサービスにユーザー登録をして自分のエアコンを登録すると利用できる。ダイキンはオフラインの利用も想定しており、自宅のLAN内からの利用ならば登録も一切なしにすぐ使えるが、遠隔操作を行う場合は登録が必要になる。
IDとパスワードの管理が増えることは面倒かもしれないが、遠隔操作を行う上で各社のサーバを経由する必要があるので、面倒がらずに登録しよう。
なお、各社とも操作アプリはiOS、Androidの両方を用意する。この2つのOSを用意していることから、Windows Phoneやストアアプリ非対応のごく一部のスマートフォンを除けば、各社とも全機種対応といってもよいだろう。
エアコンの専門メーカーであるダイキン。2013年モデルからすでに全機種対応となっている。今回試すのは2013年モデルの最下位シリーズの2.2KWモデルの「AN22PES」だが、通信アダプタともうひとつの制御機器の2つを装着することで遠隔操作が可能になっている。
機器の設置自体はあまり難しくなく説明書に従って装着していけばよい。通信アダプタの大きさは少し大きめだが、気になるならば下から見えない上側に設置すればよいため、あまり気にならない。
通信アダプタには通信状態を示すLEDが付いていることが多い。ダイキンの場合は設定時やコンセントを差し込んだ状態で点灯するが、設定が終わると消灯する。寝室に設置したエアコンで睡眠時にLEDの光が気になってしまう人にも安心の仕組みとなっている。
設置が終わったら、無線LANとの接続だ。ダイキンはWPSによる自動設定のほか、スマートフォンから暗号キーを入力して無線LAN接続をする手動設定も行える。WPS機能を持たないアクセスポイントを使っている人にはたいへんありがたい。
さらに、遠隔操作を行わなれば、IDやパスワードなどクラウドサービスへの登録が一切不要なのも便利。アプリが起動して同じLANにエアコンがあれば、すぐに操作できるのもダイキンの特徴だ。反対に、ネットに登録して外部から操作しようとすると、数分のタイムラグがある。
操作方法の特徴として、操作画面を押すとすぐに動作することが挙げられる。他のエアコンのリモコンが運転方法や温度を画面でまとめて設定して一気に転送する方式なのに対し、ダイキンはオン/オフや温度設定など、押せばすぐに動作する仕組みだ。
なお、室温と外気温が画面で確認できるが、外気温は動作中のみ。湿度も検知できるが、これは上位機種のみとなっている。
ダイキンでは、タブレット向けのアプリも用意している。遠隔操作は非対応だが、家庭内にいてタブレットの大きな画面で操作する大型リモコンのようなことができる。エアコンだけでなく、ダイキンの他のネット対応機器もまとめて操作できる。
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