暑い夏、自宅の最寄り駅に着いたらエアコンをスマートフォンで遠隔操作する。家に着いた頃には快適な部屋に──そんなシーンはすでに現実のものとなっている。今や上位機種だけでなく購入しやすい最下位シリーズの機種でもスマートフォンリモコンの対応となっているメーカーもあり、新しくエアコンを買うならスマートフォン対応は当たり前になりつつあるのだ。
現在、スマートフォンのリモコン対応は、ほとんどのエアコンメーカーで進められている。その中でも最下位グレードの機種まで全機種対応するのはシャープとダイキン。そして最も安いシリーズを除けば対応というパナソニック、三菱電機、富士通ゼネラル、日立など、2015年モデルになって一気に進んでいる。中でもダイキンの全機種対応は2013年から、シャープは2014年からと先行しており、すでに家で稼働中のエアコンも、よく見れば対応していたということもあるだろう。
また、エアコンだけでなく家電全体の制御と連動も進んでいる。エアコンのリモコンとしての導入だけでは非常に割高になってしまうが、エネルギーを節約するための管理システム「HEMS(Home Energy Management System)」の一部として提供している東芝のような例もある。
利用するためには遠隔操作を行うため、各社のクラウドサービスを経由する必要があるが、東芝を除けば利用は基本的に無料だ。設置した後、各社のクラウドサービスに登録すると遠隔操作が可能になる。遠隔操作の場合はインターネット側からのアクセスとなるが、各社が用意したサーバを経由して操作する方法になるため、ルータのポートを開放するというような作業は不要だ。
スマートフォンでリモコンというと、できることは遠隔操作でエアコンをオン/オフすることが真っ先に思いつくが、それ以外にも機能がある。エアコンにはさまざまなセンサを内蔵しているため、現在の室温や湿度、外気温などをスマートフォンに表示でき、外出先からも確認できる。
また、最適な温度調節のために人感センサを内蔵しているエアコンもあるが、パナソニックでは外部から不在確認として使える機能を提供している。高齢者の健康状態のチェックなどに利用することを想定した機能だが、ペットの監視などさまざまな応用が考えれられる。
さらにパナソニックでは「おやすみナビ」として、スマートフォンの機能を活かし、段階的に温度を変化させ、睡眠を快適にする機能を別アプリで提供している例もある。
いずれにしても、単体のエアコンではできないことが、スマートフォンの画面や機能を使ってできることが増える点は大きなメリットとなる。
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