3社のスマホ対応エアコンを導入比較--暑い夏も遠隔操作で快適に(後編) - (page 3)

みまもり機能をはじめ連携を模索するパナソニック

パナソニックの通信アダプタも外に装着する方法。無線LANタイプとくらべて少し小さい
パナソニックの通信アダプタも外に装着する方法。無線LANタイプとくらべて少し小さい
操作画面では、風量や風向も設定できることがパナソニックの特徴。スマートフォンからは必ず切タイマーとして操作するので、連続運転は指示できない
操作画面では、風量や風向も設定できることがパナソニックの特徴。スマートフォンからは必ず切タイマーとして操作するので、連続運転は指示できない

 2012年の途中から対応機種を登場させ、紆余曲折あった上で2013年から遠隔操作がスタートしたパナソニック。翌年の2014年モデルからは最下位グレード以外はスマートフォンによる操作に対応するようになり、エアコンの単純なリモコンのほか、アプリを使い詳細な制御ができる。さらに上位機種ではエアコンのセンサを使って室内監視できる機能を提供している。

 通信アダプタは他社と少し違っており、専用のアクセスポイントを設置、各エアコンの通信アダプタとは920MHz帯の特定小電力無線を使って通信する。アクセスポイントは有線LANで自宅のネットワークに接続するため、有線LANの空きポートが必要になるが、無線LANアクセスポイントの対応を考慮せずに済むのはわかりやすい。

 操作はパナソニックのクラウドサービス、「CLUB Panasonic」のIDが必要となり、必ずそれを介してエアコンなどを操作する仕組み。アプリは「パナソニック スマート アプリ」で、エアコンだけにとどまらず、テレビやデジタルカメラまでパナソニックのネット家電全体を操作できるアプリとなっている。

 エアコンの操作は画面上で室温などを設定し、まとめて転送する方式。風量や風向もアプリから設定できる。注目点としては、操作は「120分後切」というように切タイマーとして送信されること。安全を配慮したのか連続運転は遠隔操作では指示できない仕組みになっている。

 アプリからは、最下位機種でも室温と外気温のモニターが可能。エコ情報として電気代の目安も知ることができる。今回試したのは2013年にパナソニックのスマート家電対応モデルとして大々的に登場した「CS-T283C」。とはいえグレードとしては上位機種ではないので湿度センサ等はない。上位機種では湿度センサがある機種は湿度もモニターできる。

 また、パナソニックスマートの中ではエアコンのリモコンとは別の機能となるが、「おへやモニター」も用意される。これは、冷気や暖気を無駄なく浸透させるため人感センサを内蔵し、温度を細かく制御するほか、人がいるかどうか、動きが大きいか小さいかまでを時間ごとにクラウド側で記録して表示するもの。

 たとえば子供が部屋にいるかどうかを確認したり、高齢者の日々の活動具合を確認したりできる。おへやモニターは有料化を予告しているが、現在のところ無料で提供中だ。

 また、「おやすみナビ」のアプリも提供している。これは、起床時間を設定すると、それに合わせて段階的にスマートフォンがエアコンに設定温度を変化させる指示を送り、睡眠中の快適度を上げようというもの。枕元にアプリを置いておくと寝返りなども判断するとしているが、専用のセンサでないことから正確に状態を把握するのは難しいようだ。

 おやすみナビは、現在は粗削りなサービスというのが率直な感想だが、今後、ウェアラブルデバイスとペアリングしたスマートフォンから制御するなど、より進化して便利な機能となる可能性があり、非常に期待できる。

  • リモコンのメイン画面。操作を指示した後は「運転状況」から確認する。

  • 運転状況の表示。上位機種では湿度も表示できる

  • 電気代の確認も可能。月別でグラフが出て、前年分と比較ができる

  • 上位機種で「おへやモニター」をしたところ。外出など、人の気配がなければグラフは白っぽく表示し、気配が少ないときは棒グラフが短くなる

  • 「おやすみナビ」の設定画面。スマートフォンからリアルタイムにエアコン操作を行っていくアプリ。温度を連続的に変化させることができる

  • 睡眠スタート、電池消費があるようにも見えるがそれほどでもない。むしろ、翌日の利用のために充電を忘れないようにという意味のようだ。朝になって起きたらスライドさせる

  • スライドさせるとこの画面。すっきりレベルは自分で操作して記録する

  • 寝返りが記録されていなかったが、温度変化が記録されていた。設定よりも低めだった

プラスαの機能や連携性に期待

 3社の機能を見てみたが、エアコンの遠隔操作をするにとどまらない進化の兆しが見えていることがわかった。方向性は違うものの、エアコンだけでなく、他の家電の連携にも力を入れており、同メーカーでそろえるとより多機能になるという、新たな囲い込みも始まっている。

 エアコンの世界では省電力性の変化のほか、ここ数年では新冷媒R32への切替やセンサ機能の進化、脱臭機能なども進んでいるが、それとは別にスマートフォンのリモコンやネットワークを通した連携機能など、新たな進化が始まっている。この夏、エアコンを購入するなら、同時にネット機能の検討もおすすめしたい。

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