中島氏は「アクティビティへの参加を単調な思い出にはしたくない。“またやってみたい”と思わせる体験を創出するためには、高品質なツアーを提供している事業者を私たちの経験を元に吟味する必要がある。まずは思い切り感動的な体験を作ってもらうことが大切であり、そこでネガティブな思いをしたら、次はない。そのためにキュレーターの役割は大きく、“どのような体験が生み出せるのか”を独自の視点で評価している」と語り、そとあそびは単なる情報サイトではなく、独自の視点で情報を選定したキュレーションメディアであると強調した。
「レジャー情報サイトとしては競合も存在するが、それらとは立ち位置が違う。アウトドアに絞って、キュレーションを軸にしたコンテンツを展開しているのはそとあそびだけ」(中島氏)。
こうしたサイト運営へのこだわりは口コミで評判を獲得し、利用者数は前年比で約2倍に増加。情報を掲載している事業者からも、「そとあそび経由の予約が一番多い」という声が挙がっているという。また、参加した旅行者のツアーに対する評価も高く、「子どもがガイドになりたいと憧れを持った」「次に参加したときにはこんなことがしたい」といった声や、参加したツアーの“隊長(ガイド)”への感謝の言葉などが寄せられているのだという。
「感想を読むと、大人でも童心に返って楽しんでいる様子が伝わってくる」と中島氏。そとあそびが目指すサービス運営へのこだわりは、新たなファンの創出に成功しているようだ。
中島氏は今回の増資で得た資金についても、こうしたこだわりを追求しながらサービスを強化するために活用したいという。現在、サイトに掲載する情報を選定する「そとあそびキュレーター」は、山本氏とアシスタントキュレーター2名の3名体制で、ほとんど会社にいないほど全国の施設を飛び回っているのだそう。そこで、アウトドアのプロフェッショナルを雇用してチームを強化することで、サービスの機動力を高めていきたいという。「まだまだ紹介したいアクティビティがたくさんある。キュレーターを増員することで、サイトに掲載する情報量も増やすことができれば」と中島氏。
同社のビジネスモデルはサイトからの送客に対する手数料モデルだが、まずは自分たちで先行投資をして高品質なサービスを作ることを重視しているという。「リスクを負ってでも独自のノウハウを元に手間を掛けて情報を作らなければ、アウトドア・レジャーの裾野を広げるという自分たちの思いは実現できない」と中島氏はサービス強化への思いを語った。
最後に今後の目標について、中島氏は「年間2000~3000万人が利用してくれるプラットフォームを目指し、アウトドア・レジャーの分野で圧倒的なナンバーワンになること」と語る。また、全国各地を網羅した情報掲載を進めることで、地元の人、近隣地域の日帰り旅行客、遠方からの旅行客が集まる集客力のある拠点をいくつも生み出し、地域経済に貢献したい考えだ。
IPOやMBOには特にこだわりがなく、こうした目的の実現のために今後その時々に応じた経営判断をしていきたいとのこと。また、海外展開については、サービスの海外版を作るよりも訪日外国人向けのサービスを考えることが重要だとし、「ただサイトを翻訳しただけではサービスは提供できない。安全にアクティビティを運営するためには、現地のツアーガイドが外国語対応を完璧にできなければいけない」と語った。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する