タイトルにある「鈴木さん」とは、スタジオジブリの鈴木敏夫氏のことなのだという。鈴木氏に最後まで話を聞いてもらうのは、大変なことだそうで、本書では、著者の川上(量生)氏が、その鈴木氏に最後まで聞いてもらえるほど面白く、かつ分かりやすい説明を心がけて、ネットについて語っている。
ネットと一口に言っても、何を指すか分かりにくいが、本書は「ネット住民」という、ネットに住む人のことから取りあげているのが面白い。また、ネットには国境があるのかないのか、ビットコインと呼ばれる仮想通貨が盛り上がっているようだが、実際のところはどうなのかなど、ネットを日々利用している人なら、一度は聞いたことがある用語や現象について、正面から説明に取り組んでいる。
表面的な説明に終始するのではなく、ソレが何を意味するのか、今後どうなっていくのか、鋭い分析と洞察があるので、なんとなく分かったつもりになっていたことを、きちんと理解できるようになっている。
今後は、別世界だと思われていた現実世界とネット世界が、分けて考えてはいられない状態になっていくと、筆者は予測している。このことは、今後のビジネスにも影響を及ぼす話であり、見過ごせない話だ。
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