PrinceもTaylor Swiftさんのように、人気の高い自身の楽曲カタログを、一部のストリーミング音楽サービスから削除するように求めている。
Princeの「Raspberry Beret」や「Kiss」を聞きたいなら、「Spotify」には行かないことだ。SpotifyのPrinceのページにあった曲はすべて削除されており、代わりに次のようなメッセージが掲載されている。「Princeの音楽出版社はすべてのストリーミングサービスに対し、カタログを削除するよう要請した。われわれはこの要請に応じたが、可能な限り早く彼の楽曲を再び提供できることを願っている」
Princeの前には、SwiftさんとAppleの間で交わされたやり取りが話題になった。Appleは米国時間6月30日に、同社初のサブスクリプション音楽サービス「Apple Music」を開始したが、Swiftさんは、ロイヤリティーに関する不満を訴えて、自身のヒットアルバム「1989」をApple Musicに提供しないと警告した。Appleが、3カ月の無料試用期間中はアーティストにロイヤリティーを一切支払わない方針だったからだ。Appleはその日のうちにこの方針を180度転換して、無料試用期間中の条件に関してSwiftさん側の言い分を受け入れた。これで思い出されるのは、Swiftさんが2014年11月、Appleと競合する音楽サブスクリプションサービスのSpotifyから曲を引き上げて注目を集めた件だ。ただし、SpotifyとSwiftさんは結局、妥協点を見出せなかった。
Princeは先ごろ、The Daily Beastの記事へのリンクと引用をツイートした。記事では、ストリーミングのロイヤリティー構造に対するSwiftさんの最近の抗議活動を、Princeがマスターレコードの権利をめぐって自身の支配権を取り戻すため、20年を超えて続けている取り組みに重ねて伝えていた。
しかし、この記事を読んでも、Princeの音楽出版社(Prince自身が設立した会社だ)が一部のサービスにカタログを削除するよう要請しながら、他のサービスには要請していない可能性があることは説明できない。PrinceのカタログはSpotifyと「Rdio」から削除されており、Apple Musicではまだ一度も配信されていないが、検索大手のGoogleが提供しているサブスクリプションサービス「Google Play Music」と、Jay Zなど一流ミュージシャンらが所有するストリーミングサービス「TIDAL」では現在も配信されている。Princeの楽曲は、彼が現在所属しているWarner Bros. RecordsのYouTubeチャンネルでもまだ配信されている。
さらに、Princeは7月1日、ストリーミングサービスの「SoundCloud」で新曲をリリースした。SoundCloudは、あらゆる大手ストリーミングサイトの中でも、アーティストへの支払いに関するシステムの未熟さが目立つ。サブスクリプション契約におけるリスナーの選択肢も限られており、売り上げを出すため、2014年になってようやく部分的に広告配信を開始したばかりだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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