グーグル、ニュース関連動画をキュレーションする「YouTube Newswire」を開始

Richard Nieva (CNET News) 翻訳校正: 編集部2015年06月19日 10時48分

 YouTubeの登場、そして、一般の人々が携帯電話で簡単に動画を撮影できるようになったことで、ニュースメディアによる重要な出来事の報じ方に変化が生じている。そうした状況を受けてGoogleが思い立ったのは、メディアが目撃者の撮影した動画を発見して信ぴょう性を検証しやすいようにすることだ。

 それを可能にするため、Googleは米国時間6月18日、「YouTube Newswire」を発表した。最新の出来事を目撃した人による動画を収集して信ぴょう性を検証することで、ニュースメディアがそれらの動画を記事に追加できるようにする。

 このサービスは、News Lab at GoogleとStoryfulの共同プロジェクトだ。StoryfulはNews Corp傘下の新興企業で、ソーシャルウェブ発のニュースを中心に扱う。News Lab at GoogleとStoryfulは、エジプトのタハリール広場で抗議活動が始まった2011年から提携している。

 News Labを統括するOliva Ma氏は18日のブログ投稿で、「ニュース収集プロセスにおいて、目撃者の役割がこれほど重要な位置を占めたことは、いまだかつてなかった。緊急ニュースが報じられているとき、世界のどこかのYouTubeユーザーがアップロードした未加工動画が紹介されないことは、ほとんどない」と述べた。

 今回の動きは、メディアのニュース制作を支援するGoogleの役割が拡大していることを浮き彫りにしている。Facebookは2014年、「FB Newswire」と呼ばれる類似サービスをStoryfulとともに発表している。YouTubeの新サービスも、クラウドソースされた動画がいかに重要なものになったのかを顕著に表している。特に、スマートフォンのカメラを使って、自分の周りで起きていることを記録する人が増えたことは、その大きな要因だ。

 公開時点でNewswireに掲載されている動画のいくつかは、伝統的に黒人が通ってきたサウスカロライナ州チャールストンの教会で起きた乱射事件やテキサス州とオクラホマ州の洪水など、その日の主要ニュースに関するものだ。動画は目撃者と地元の新聞社が投稿したもので、その信憑性はStoryfulの編集者チームによって既に検証済みだ。

 Newswireのほかにも、YouTubeは18日、目撃者を情報源とするジャーナリズムに関するプロジェクトを2つ発表した。1つは、ジャーナリスト向けの教育リソースとしての役割を果たす「First Draft Coalition」だ。このプロジェクトは、ジャーナリストが目撃者の撮影した動画の信憑性を検証し、それを記事で使うことの倫理性を検討する手助けをする。もう1つは、Witness Media Labとの共同プロジェクトで、人権問題が絡む目撃者動画を中心に扱う。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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