この5年間、Googleは自動車の運転や糖尿病、インターネットアクセスに関連する問題に取り組んできた。同社の最新の目標は、都市の機能を向上させることだ。
Googleは米国時間6月10日、その取り組みに注力する新会社Sidewalk Labsの創設を発表した。Sidewalk Labsは都市生活に関連するテクノロジ、例えば、公共交通機関の効率性向上やエネルギー使用の削減を実現するテクノロジを手がける予定だ。
Sidewalk Labsはニューヨーク市に拠点を置き、Dan Doctoroff氏が代表に就任する。Doctoroff氏は、Bloombergの元最高経営責任者(CEO)で、ニューヨーク市の経済開発および再建担当副市長を務めた経験も持つ。
Googleは自社製品の幅を圧倒的な力を持つ検索エンジン以外にも拡大したいという野心をますます強めており、今回の発表はそうした中で行われた。同社の検索および広告事業は今も世界最大の規模で、年間500億ドル以上の売り上げを記録している。しかし、インターネットが進化する中で、共同創設者のLarry Page氏とSergey Brin氏は、将来の収益源に目を向けてきた。同社はスマートフォンからウェアラブルデバイス、自動運転車まで、さまざまなものに大規模な投資を行ってきた。
Page氏は10日、「Google+」ソーシャルネットワークへの投稿で、「このような長期的で10倍の見返りがあるかもしれない投資を行うのは、ほとんどの企業にとって困難なことだ。しかし、Sergeyも私もそれは重要なことだと常に信じてきた」と述べた。
Googleが独立した企業を創設して、半独立的に経営させるのは、Sidewalk Labsが初めてではない。Googleは2013年、人類の寿命を延ばすという壮大な目標を掲げた生命化学企業Calicoを創設した。同社を経営するのは、Genentechの元CEOのArthur Levinson氏だ。2014年9月、Calicoはバイオ医薬品を手がけるAbbVieと提携し、老化に関連する疾患の治療を目指す研究施設に最大15億ドルを出資することを発表した。
Sidewalk Labsは、製品やプラットフォームの開発、さらにほかの企業との提携を手がけることになる。Googleは同プロジェクトへの投資額を明かさなかったが、Page氏は投資額について「控え目」と説明した。
Doctoroff氏は声明の中で、「前例のない技術変化により、都市の効率性と応答性、柔軟性、回復力がこれまでより高くなるだろう。私たちは今、歴史的な変革の入り口に立っている」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス