さらに重要なのは「コンプリケーション」である。これは、文字盤自体に情報の断片を表示するAppleのシステムのことだ(アナログ腕時計のミニダイヤルとアクティブカレンダーの伝統を踏襲するもの)。現在の文字盤には天気、株価、アラームなどの情報が表示されるが、サードパーティーアプリもこれらを利用できるようになる。手首を一目見るだけで、スポーツのスコア、ツイート、さらに自宅の照明が点いているかどうかなどを確認できるようになるだろう。
「Time Travel」という新たに追加された文字盤機能を利用すれば、時間を進めたり戻したりして、近く予定されているイベントや過去のイベントを確認することができる。そうした生活のタイムラインは「Pebble Time」スマートウォッチに巧みに実装されているが、Appleはこれに関して異なるアプローチを採用している。
さらに、充電時にApple Watchをベッド脇の目覚まし時計に変える新しいモードが追加されたほか、フィットネスアプリも機能強化によって、Apple Watchにインストールされた他のサードパーティーアプリからデータを読み込めるようになった。
Apple Watchに関して、筆者が早晩改善を期待している部分は、まだいくつか残っている。最も目に付く欠点は、バッテリが1日しか持続しないことだ。やはり短いと感じてしまう。Appleは8日、iOS 9での改善点をいくつか発表した。その1つに節電モードがあり、同社は既存のiPhoneのバッテリ持続時間が延びると主張している。これこそApple Watchにも急いで施すべき機能改善だ。
iOSには刷新された「Apple Music」アプリが搭載されるにもかかわらず、Apple Watchでの音楽再生に大きな変更はないようだ(ただ、サードパーティーアプリが強力にサポートされるようになるため、SpotifyやAmazon、「Google Music」などの競合がその穴を埋めるかもしれない)。
Appleは筆者の希望にすべて応えてくれたわけではないが、それでも、同社がこれだけ多くの要素に気を配ったことは注目に値する。対照的に、GoogleのウェアラブルOS「Android Wear」の変更点と新機能はごくわずかだった(これらはWWDCのわずか2週間前にGoogle I/O開発者会議で発表されている)。だが、それらの変更はAndroid Wearの発表から1年後に追加されたものだ。Apple Watchの変更の計画は、発売から約6カ月後になるとみられており、Googleよりはるかに速いペースのように思える。
新しいアプリが追加され、OSが強化されることで、Apple Watchは2015年秋に全く新しい製品のように感じられるかもしれない。それは、大きく前進する可能性へとつながる。もしかすると、皆が最初から求めていたApple Watchが現実のものになるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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