UPDATE Appleは米国時間6月8日、年次開発者会議Worldwide Developers Conference(WWDC)で音声アシスタント機能のいくつかの重要な変更点を発表した。Siriはインターフェースが新しくなり、少しばかり魅力的な外観になる。ただし、おそらく最も注目すべき点は、事前にSiriに伝えておかなくても、予定やその他のイベントをユーザーに通知できるようになることだろう。
Siriがアップデートされ、AppleのモバイルOSはさらに先を読むようになる。例えば、Siriは時刻や居場所に基づいてユーザーに通知することができる。ユーザーがSiriに向かって「家に着いたら、これについて知らせてほしい」というように言えば、Siriはユーザーが「iPhone」で調べる可能性があるものなら何でも通知する。Siriは、ユーザーがこれから何をしようとしているのかも推測できる。ユーザーが「車に乗るときは、ルーフからコーヒーのカップを下ろすように知らせてほしい」と言っておくと、その通りにしてくれる。
iOS 9で、Siriはさらにより優れた検索機能を発揮する。この音声アシスタント機能で、オンラインまたは「iTunes」から音楽などのコンテンツを検索したり、検索結果から直接楽曲を再生したりすることが可能になる。また、スポーツの試合結果など、特定の項目を検索することも可能になる。さらに、アプリを検索すると、そのアプリの内部にあるコンテンツも検索できる。
Siriに何かを指示するには、「去年の8月にユタで撮った写真を見せて」という具合に話しかければよい。また、ユーザーが認識していない番号から電話がかかってきたとき、Siriはユーザーの電子メールを調べ、可能性のある発信者を見つけ出して画面上にその人物を表示してくれる。
Siriはまた、打ち合わせの連絡を取るべき人物の候補を提示したり、ダウンロードすべきアプリや、ユーザーがその時刻に使いたいと思うアプリを提案したりすることも可能だ。
Appleはまた、「Apple Watch」で利用できるSiriの新機能を用意している。Apple Watchの次期OS「watchOS 2」では、Siriからワークアウトを開始できる。手首を上げてSiriに「ワークアウト開始(Start workout)」と伝えればよい。Siriがこれに反応し、ワークアウトアプリを起動する。例えば、300カロリーの自転車ワークアウトを、Apple Watchにいっさい触れることなくSiriから開始できる。
また、watchOS 2で、Siriは乗り換え情報を利用して、出発時間、到着時間、付近の駅などを教えてくれる。例えば、「Hey Siri。フェリービルディングまでのバスを案内して」などと呼びかけて、Siriにルート案内を頼むことができる。
家の中では「HomeKit」に対応する。HomeKitは、家にあるアクセサリに接続し制御するAppleのソフトウェアだ。例えばSiriに話しかけることで照明をつけたり、ガレージのドアを開いたりできるようになるかもしれない。ついに、Apple Watchの「Crown」を押して口頭で命令するだけで、電子メールへの返信やメッセージを、Siriを使って腕から送信できるようになる。
新サービス「Apple Music」では、バーチャルなDJのような役割を果たす。手元のiOS機器から特定の楽曲やアルバムを再生するようSiriに命じることはこれまでもできた。しかし、新たに登場するApple Musicでは、特定の条件に当てはまる曲を再生するようSiriに依頼できる。例えば、オルタナティブ楽曲のトップ10を再生したり、1982年のヒット曲を再生したりするようSiriに頼むことができる。
Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務めるCraig Federighi氏はWWDCで、「優秀なアシスタントは積極的だ。iOS 9ではこのシステムに先を見越す力を与える」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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