SIMフリー機の本格展開が始まろうとしている。その鍵を握る格安SIMは店頭受付体制が一気に整い始め、一般ユーザー向けの家電量販店にもSIMフリー機コーナーが登場している。高いスペックをまといながらも手頃な価格で登場し、注目集めている端末の1つが「ZenFone 2」(ASUS ZenFone Shop価格:4万9464円~)だ。
これまで、国内で流通されているSIMフリースマートフォンは決してスペック的に満足いくものではなく、むしろ格安SIMとのセットのために、コストパフォーマンスのいいスマートフォンを集めたという印象を持っている人もいるだろう。そのため、最新スペックを追うとなると、どうしても携帯電話キャリアの販売する機種や、AppleのiPhoneなどに頼るしかなかった。
そして、実利用の上で大きな問題となる対応周波数帯の問題が挙げられる。格安SIMを使うとなるとごく一部を除いてドコモのネットワークを使うことになるが、ドコモの広いサービスエリアを使うためには、ドコモの800MHz帯に対応は必須で、LTEの速度面では1.7GHz帯(1800MH帯と書くときもある)のLTE対応も欲しい。それなのにドコモの800MHz帯に対応しない機種も多かった。
ASUSはSIMフリー機が今回はじめてというわけではなく、過去に何機種も国内で展開しており、ドコモの800MHz帯に対応した機種も出している。そして、今回試用したZenFone 2は、インテルのチップを搭載しているという変わり種ながら、1.83GHzまたは2.33GHz駆動のクアッドコア、4Gバイトメモリという充実したスペックで注目を集めている。
国内販売されるZenFone 2だが、スペックは3種類に分かれている。CPUはインテルAtomプロセッサ Z3580またはZ3560、メモリ(RAM)はCPUがZ3580のモデルは4Gバイト、Z3560は2Gバイトとなり、Z3580のモデルはストレージが64Gバイトと32Gバイトが用意されている。型番で言うとAtom Z3580で4Gバイトメモリ、64Gバイトストレージが「ZE551ML-**64S4」、その32Gバイトストレージが「ZE551ML-**32S4」、Atom Z3560、2Gバイトメモリ、32Gバイトストレージが「ZE551ML-**32」で、**は4つのボディーカラーを示している。
この3モデルはCPUやストレージ以外は充電・稼働時間が異なる程度で、モデルによってカラーバリエーションが異なるが、5.5インチの液晶画面も大容量の3000mAhのバッテリも同一。本体のサイズは152.5mm×77.2mm×3.9~10.9mm。重さは約170g。本体デザインや素材感によりあまり重く感じない。
対応周波数帯も非常に多く、ドコモの800MHz帯はもちろん、新しく利用がはじまる700MHz帯もスペック表に記されている。スペック表から見ると、ドコモ、au、ソフトバンクのほとんど周波数帯に対応するため、auの音声を除けば3キャリアすべてで利用できると思われる。
その他も“全部入り”という印象が強く、最新のAndroid 5.0、1920×1080ドットの5.5型IPS液晶、グラフィックスにPowerVR G6430、ワイヤレスLAN(Wi-Fi)はIEEE 802.11a/b/g/n/ac対応で2.4GHzと5GHz帯の両対応、位置情報もGPS、GLONASS、みちびきなどに対応、さらにマニア心をくすぐるSIMスロットが2つある仕様も注目されている。
3000mAhの内蔵バッテリは、専用のアダプタを使った場合に急速充電機能によりゼロから60%まで39分で到達するとしている点なども、スマートフォンを使いこなす上ではうれしい機能。細かい点だが、日本語入力にATOKがプリインストールとなっている点もありがたい。
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