ハイスペックSIMフリーの本命か? --ASUS「ZenFone 2」 - (page 3)

インテル製チップとAndroid 5.0の相性は?

  • 速度測定アプリで通信速度を測定、時間帯によってはこのような60Mbps超えも記録、ZenFone 2がネットワークときちんと通信できていることの証でもある

 ハイスペック機らしくアプリの起動など、速さを感じていわゆるサクサク動作。利用開始直後はタッチからワンテンポ遅れて反応するなど、動作が鈍く感じることがあったが、アプリのほうの更新がひと通り済むと軽快になってきた。

 また、心配していたAndroid 5.0への対応も、筆者の使う範囲で問題があったものはない。今後も対応がより進んでいくことは確実なので、今からAndroid 5.0の端末を買うことが早過ぎるということはもうないだろう。インテル製チップということで互換性を心配する声もあるが、それに問題を感じたこともなかった。

 SIMフリー機のため、通信事業者との相性という点も気になるところ。ドコモのネットワークを使ったニフティの格安SIM「NifMo」を挿入してみた。ネットワークの空いた深夜帯では、速度測定サイトの測定では下りで60Mbpsを超える数値を記録した。また、その他の時間帯でも数十Mbpsの数値を安定的に出していること、どこへ行ってもアンテナが安定的に立ち、通信できることから問題ないと思われる。

専用充電器以外の充電では不思議な挙動も

 電池の減りについては大容量バッテリを搭載しているため、あまり心配してなくてもよいが、気になる点があった。大画面で高速CPUを搭載しているため、ある程度の電池が減りが早いは致し方ない面がある。そのために3000mAhのバッテリを搭載していると考えれば問題はないだろう。気になるのは充電だ。

 付属のACアダプタを使えば39分間で60%まで回復するとしている。付属のACアダプタを使った場合、確かに短時間でしっかりと充電ができたのだが、問題は他の充電器などで充電した場合だ。

 充電中は画面に充電終了時が表示されるのだが、この表示からあまり進まない充電器がある。例えば「フル充電まで58分」と出ていれば、一時間後には充電が終わってほしいが、ほとんど進んでいないこともあった。

 基本的には、付属の充電器を使うのが正しいとは思うが、microUSBで充電する機器は、通常のUSBポートで5V出力がされていれば、急速充電でなくてもしっかり充電は完了してほしいところだ。

  • USBの充電器によっては、接続しているのにある程度から充電が進まない相性がある

  • 待機画面の下には充電中と出て「フル充電まで58分」とあるが、充電器によってはこの後1時間たっても充電容量に変化がないこともあった

  • 充電器は5V2Aのほか9V2Aの表記がある。電圧を上げて急速充電しているようだ

auネットワーク利用のMVNO、mineoで使ってみた

 ZenFone 2は、格安SIMでも利用が前提となっているせいか、SIMカードを入れれば主要な格安SIMの設定が入っているので、選ぶだけで面倒なAPNの設定が完了するようになっている。IIJmio、OCN モバイル ONE、NifMo、BIGLOBE……などあまりマイナーなものでもなければ困ることはないだろう。

 ZenFone 2はSIMフリーだけに、使えるSIMはドコモだけではない。ソフトバンクはもちろんのこと、格安SIMが出ているauのLTEネットワークにも周波数帯や方式が合致する。カタログには「KDDIのSIMカードは利用できない」と記載されているが、試したところauのネットワークを使った格安SIM、mineoのSIMで通話以外は全く問題なく利用でき、auの広いLTEエリアを実感することができた。

 ドコモ系と違うのは、auのSIMを挿した場合はドコモのSIMを挿したときのようにAPN設定が出てこない。APN、ユーザー名、パスワード、認証方式などを手動設定する必要がある。規格が違う3Gを使う通話機能そのものが使えないのは仕方がないが、データ通信だけならば問題がなかった。

 なお、SIMカードスロットは2基あるが、2番めのSIMカードスロットは2G、つまりGSM方式のSIMしか対応しない。日本ではGSM方式は過去も含めて一切正式サービスがされていないため、日本では全く使えない。片方でLTEデータ、片方で3G音声の同時利用ができれば良いと考えている人は多いと思うが、ZenFone 2でも実現できない。

  • ドコモのSIMを入れると、主要な格安SIMのAPN情報が格納されていることがわかる。ここから選ぶだけで通信が可能だった

  • アクセスポイントの手動設定ももちろん可能。au系のSIMを入れると格安SIMのAPN情報が全く表示されないので、手動ですべて設定する

  • SIMスロットの2にSIMを入れておくと、画面のアンテナピクトが2つ表示される。これは2つめのSIMでは「圏外」だということ

マニアからふつうの人まで、かなり良い選択肢

 結論だが、ASUSのZenFone 2はAndroid 5.0を搭載する最新端末としては非常に買いのスマートフォン。4Gバイトメモリ、32Gバイトストレージの「ZE551ML-**32S4」で約5万円と決して安くはないが、iPhone 6やNEXUS 6のSIMフリー機はさらに高価で、実際に4~5万円クラスのSIMフリー機の中では非常に高いスペックを誇っている。

 端末は必ず新品購入にこだわり、しかもSIMフリーでスペック重視であれば、今のところZenFone 2はかなり良い選択肢と言えるだろう。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]