エリクソン、アップルに対して欧州で新たな特許訴訟

Don Reisinger (CNET News) 翻訳校正: 中村智恵子 福岡洋一 (ガリレオ)2015年05月11日 10時31分

UPDATE 通信機器メーカーEricssonはAppleに対して新たな訴訟に踏み切った。

 スウェーデンに本社のあるEricssonは、自社が保有する無線通信技術関連の特許をAppleが侵害しているとして、ドイツ、英国、オランダで提訴した。EricssonはAppleとの間で調停による特許使用料の決定を目指したが提訴するに至ったと、現地時間5月8日に述べている。

 今回の提訴はますます激しさを増すAppleとEricssonの対立における新たな展開だ。Ericssonは2月に、2Gおよび4G/LTE標準、半導体コンポーネント、ユーザーインターフェースソフトウェア、その他のモバイル技術に関して同じ特許を侵害したとして、米国でAppleを提訴したことを明らかにしていた。

 これらの訴訟の争点となるのは、これまでAppleとEricssonの間で結ばれていたグローバルライセンス契約だ。Ericssonの特許ポートフォリオには3万7000件を超える特許が含まれ、同社は100件を超える特許ライセンス契約に同意していた。Appleとの間では標準必須技術、つまりそれぞれの市場で事業を継続するのに一般的に必要な知的財産に関する合意があった。標準必須特許とは市場での適正な競争を確保するために管理機関が認定するもので、「公正、合理的、かつ非差別的」(FRAND)な条件で特許ライセンスを提供しなければならない。

 標準必須特許という考え方は、特定の企業が開発した技術が市場の標準となることに関係している。このような場合、米国際貿易委員会(ITC)などの管理機関が特許保有者に対し、それぞれの市場で競合するいかなる企業に対しても知的財産を提供する義務を課す。特許保有者は公平な基準で知的財産を提供し、競争を維持して自らが市場を支配しすぎないようにしなければならない。さもなければ特許を完全に失う可能性もある。

 Appleに対する訴訟の対象となる特許は標準必須特許で、Ericssonによると契約条件はFRANDに則っているという。しかし、Appleはこれらの特許に関するライセンスを1月に更新せず、FRAND条件と釣り合っていないと反論している。両社の交渉でEricssonが調停を持ちかけたがAppleは提案を拒否したとEricssonは述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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